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ホーム全日病ニュース第798回/2013年4月1日号半数以上に在支診の後方病床機能。...

半数以上に在支診の後方病床機能。課題は開放型病床の確保

半数以上に在支診の後方病床機能。
課題は開放型病床の確保

【四病協の在支病実態調査】
医師配置や1人当直医の往診など、実態に合わせたきめ細かな基準・評価が必要

 

 四病院団体協議会の「在宅療養支援病院に関する委員会」(委員長・梶原優日病副会長)は在宅療養支援病院(在支病)に関する実態調査の結果をまとめ、3月27日の総合部会に報告した。在支病の実態調査は2011年3月実施以来2回目となる。調査は在支病を届け出ている全国800病院を対象に2月に行なわれ、135病院(回答率16.9%)から回答を得た。在支病の施設基準区分は、従来型39.8%、強化型の単独型19.5%、同連携型40.6%という内訳であった。
 「在宅療養支援病院に関する委員会」は集計結果を以下のとおりまとめるとともに、次期改定における在支病評価の課題を整理した。

 


四病院団体協議会「在宅療養支援病院に関するアンケート調査結果」


□アンケートのまとめ(全体)
①在支病の届出は前改定後、従来型からの移行も含め、強化型(60.1%)が増加している。
②関連施設として有床診(8.9%)、無床診(37.8%)の設置が前回調査より著しく増えた。訪問看護ステーション(66.7%)も前回より増加傾向にある。
③IT利用が20.7%あり、前回(3.7%)から大幅に増えた。
④在支診との輪番制には参加はしていないが、在支診の後方病床としての機能を持ち、定期的な情報交換を行っている病院が半数以上ある。ただし、開放型病床を有している病院(13.3%)は少なく、今後、在支診と連携するために開放型病床を持つことが勧められる。
⑤時間内の訪問診療や往診は着実に増えてきているが、時間外、看取り、ターミナルは伸び悩んでおり、最後は病院で受け入れていることが分かる。これは、24時間体制で医師や看護師を確保することが難しいためである。
⑥月1回のカンファレンス実施については見直しの意見が多い。
⑦認知症の対応に苦慮している在支病が多い。精神科との連携だけではなく、在宅医療を志す医師の教育・研修の場で認知症への理解を進めて行かなくてはならない。

□総括(次期診療報酬改定に向けて)
①調査結果から、病院勤務医が在宅医療に理解を示し、往診などに積極的に参加する体制の構築が急がれる。14年度の改定では、在宅医療を協働する訪問看護師や訪問介護職員とともに訪問医師の養成を重視する施策を望みたい。
②へき地など医師不足地域における在支病の施設基準は、往診や看取り件数が大幅に見直されるべきである。
③また、往診した医師が非常勤医師であっても在支病の施設基準で評価されるように見直してはどうか。さらに、1人でも多くの医師に在宅医療を理解してもらうため、複数の当直医がいる在支病は、1人の当直医が往診しても評価されるような見直しを望みたい。
④200床未満の病院が在支病になり、地域の診療所と連携しながら、慢性期医療の対応ができる体制が必要とされている。医療資源に限りがあるため、その実態に合わせた医師の配置等とすることが求められる。

□在支病の実績(2010年度~2012年度)