全日病ニュース

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若手経営者育成事業委員会の活動報告

若手病院経営者に啓発と意見交流の場を提供

各地企画とも連携、ネットワークを目指す。将来の全日病活動家育成の期待も

若手経営者育成事業委員会委員長 中村康彦 

 

 若手経営者育成事業委員会が設置されてから約2年が過ぎようとしています。
 従来、広報委員会が企画・運営を担当してきたヤングフォーラムでは、毎年の全日病学会で、若手経営者達が病院経営について意欲的な発表と議論を行ってきました。この活動をさらに充実されるため、ヤングフォーラムを発展的に解消し、平成23年6月に若手経営者育成事業委員会が設置されました。
 具体的には、①若手経営者の育成を目的とした研修会等の企画・実施並びに若手経営者同士のネットワーク作りを推進する、②次代の全日病を支える人材を育成・発掘する、ことが目的です。
 当委員会はこれまで、東京、東海、信越、北陸、関西、九州の各地でそれぞれ若手経営者の会、青年医会を組織してこられた先生方を委員に迎え、各地で病院見学や活発な意見交換を展開しています。
 昨年2月に東京の協会本部で開催した第1回若手経営者の会には、28名の参加をいただきました。そこでの西澤会長の挨拶、病院のあり方委員会徳田委員長の講演、そして参加者との意見交換を皮切りに、昨年7月28日には東日本若手病院経営者の会の企画で東日本大震災の被災地である石巻日本赤十字病院の見学と講演および意見交換会が実施されましたが、そこには34名が参加しました。

▲第1回東日本若手経営者の会(12年7月・女川町地域医療センターにて)

 その2カ月後に行われた「全日本病院学会in神奈川」では、7月に参加した若手病院経営者の皆さんの多くが知己を得て間もないということもあり、ヨコハマ・グランド・インターコンチネンタル・ホテルでナイトフォーラムを開いたところ、50名を超える参加をいただき、深夜まで、参加病院の紹介や経営戦略について熱い意見交換が行われました。
そこで出されたどの意見も、厳しい医療経営環境の中で日々の実践を通じ、我々が避けては通れない問題ばかりでした。また、若手病院経営者の方々が、病院の健全経営や医療の質の向上はもちろん、人事考課や人材確保さらには新規事業への模索や事業継承など、後継者としての様々な悩みを話す機会を求めていたということを痛感しました。
そこで、以前は各地域で行われていた会合を組織的に行い、同じ月に重複開催しないなどの効率化を図り、全国の若手病院経営者がもっと多く、かつ気楽に意見交換できる場を提供しようと、現在、当委員会で調整に努めているところです。
その後、昨年11月10日には調布東山病院の見学と懇親会を開催、21名の参加をいただきました。そして、今年2月2日には東京のホテル・メトロポリタン・エドモントで第2回若手経営者の会を開催、川原経営総合センターの川原丈貴社長に「病院経営における財務諸表の読み方」と題した講演をしていただきました。
講演後の50名を超えた参加者による意見交換では、各自が自院の病床規模や急性期、療養、リハビリなどの病床区分が一目でわかるネームプレートを胸につけることにより、自院と規模の近い病院同士で懇親を深める良い機会となりました。

▲第2回若手経営者の会(13年2月・東京のホテル・メトロポリタン・エドモントにて)

 さらに、3月2日には西日本若手病院経営者の会の企画で、福岡県久留米市の田主丸中央病院の見学と意見交換会を開催し、約30名の参加をいただきました。
今後は、6月に北海道の社会医療法人禎心会病院の見学と意見交換会を、9月には西日本若手病院経営者の会の企画による見学会を、そして、11月2日の「全日本病院学会in 埼玉」における当委員会の企画や同日夜に大宮パレスホテルで開催予定のナイトフォーラムなどを、順次計画して行く予定です。
当委員会では、各地で開催される企画への参加を通じ、日常の病院業務の中では作り得なかった経営者同士の人間関係や、大都市、首都圏、地方都市などの病院所在地の地域特性や個々のユニークな経営方針、経営哲学、人材育成や人材確保の方法など様々な興味深い発見ができると思っております。
また、そこで培ったネットワークが、近い将来、全日本病院協会の大きな原動力と夢になるものと確信している次第です。