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ホーム全日病ニュース(2014年)第819回/2014年3月1日号新人看護職員研修GLの改訂版が完成...

新人看護職員研修GLの改訂版が完成

新人看護職員研修GLの改訂版が完成

中小病院により分かりやすく見直す。到達目標に「死後のケア」を追加

 

 厚生労働省は新人看護職員研修ガイドライン(GL)の改訂版をまとめ、2月24日に公表した。
 新人看護職員研修は2010年4月より努力義務化されたが、研修内容の標準化を図る必要があるなどから、厚労省は11年2月にGLを作成、その中で適宜の見直しを提起している。
 その後、研修は、新人看護職員不在施設を除くと9割の施設で実施されるにいたり(11年の医療施設静態調査)、厚生労働科研によって研修の実施状況も把握され、地域で複数病院が連携を組んで実施するなどの事例も報告される中、臨床現場の変化など、改善されるべき問題点も現出した。
 そのため、厚労省は昨年11月に「新人看護職員研修ガイドラインの見直しに関する検討会」を設けて検討を重ねた結果、到達目標の項目表現や到達目安の一部修正、到達目標設定にかかわる例示の追加等を行ない、改訂版をまとめたもの。
 改訂版は、これまで研修ができていない医療機関でも実施しやすくなるよう、GLの本文や到達目標をより分かりやすい表現に変えたり、GLの活用を促すために具体的な活用例を追加するなど内容の充実を図っている。
 具体的には、看護技術についての到達目標で、「止血」を「外傷性の止血」とするなど、どのような技術を指すのか明確になる表現を随所に追記したほか、1年内の評価時期に関しても、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年という時期を明示したにとどまった現行版に対して、各時期ごとの評価視点を追記した。
 また、各施設の状況を考慮して「1年以内に経験し到達を目指す項目」から外し、かつ、到達目標のレベルを「Ⅲ.演習でできる」とした上で、「死後のケア」を追加した。超高齢化を踏まえた対応である。
 その一方で、「自施設における研修計画を立て、その中で外部組織を活用した研修の位置づけを明確にしておくことは重要」と記すなど、現行GLにもまして、中小病院に、地域の他病院との連携体制を確保する中で研修体制を確保する考え方を明示している。