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防火設備の緊急点検結果 10.7%の施設に建築基準法違反。無届増改築にも多くの違反が

防火設備の緊急点検結果
10.7%の施設に建築基準法違反。無届増改築にも多くの違反が

 

 国土交通省は2月5日に、病院および有床診の防火設備に対する緊急点検の結果を発表した。昨年10月に福岡市の有床診で発生した火災を受けて行なったもので、防火設備については、10.7%の施設で建築基準法令違反が指摘された。
 対象は、建築基準法別表第一に規定する、病院と有床診のうち、①地階又は3階以上の建物を診療に供するもの、または、②診療に供する床面積が合計300m2以上(平屋建を除く)のいずれかに該当する1万6,087施設。
 点検事項は、(1)無届増改築等の有無および当該部分の建築基準法令状況、(2)防火設備の状況(管理状況含をむ)の2点(いずれも1月15日現在)。
 点検によって、3.4%(541施設)に無届による増改築等が把握され、そのうちの71.9%(389施設。点検全体の2.4%)は「建築基準法令に関する違反」であった。
 さらに、建築基準法違反のうちの56.8%(221施設。点検全体の1.4%)が防火設備関係の違反、50.6%(197施設。点検全体の1.2%)が耐火建築物関係の違反であった。
 一方、管理状況を含む防火設備の状況に関しては、10.7%(1,724施設)で建築基準法令の違反が把握された。
 違反の主な内容は、防火設備の閉鎖又は作動の状況が52.9%、区画に対応した防火設備の設置状況が25.0%、常時閉鎖防火戸の固定状況が23.7%、閉鎖又は作動の障害となる物品の放置が21.0%などであった。
 耐火建築や防火設備は建築基準法をベースに、一部消防法で細かく規制されている。福岡市の火災事故を受け、消防庁は厚労省の協力の下、有床診療所火災対策検討部会を昨年10月に設置し、スプリンクラーや防火戸設置義務化の議論を進めている。
 また、厚労省は2013年度補正予算案に、スプリンクラー等整備事業(医療施設等施設整備費補助金)として101億円を計上したが、同補正予算は2月6日に成立している。