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医療保険部会が意見とりまとめ。医療区分Ⅱ・Ⅲにも居住費負担求める

医療保険部会が意見とりまとめ。医療区分Ⅱ・Ⅲにも居住費負担求める

【厚労省・医療保険部会】

 社会保障審議会・医療保険部会(遠藤久夫部会長)は12月8日、経済・財政再生計画で検討が求められていた事項をまとめた「議論の整理」を了承した。前回会合に示されたものと同様の内容で(本紙12月15日号参照)、この日は最終案に対する修正意見を委員から受け付けた上で、修文は部会長預かりとした。
 「議論の整理」にまとめられた改正事項について、厚生労働省は「この内容を踏まえて与党と協議の上、年末の予算編成に臨む」(谷内繁審議官)と説明した。
 「議論の整理」は、骨太 2015 および骨太2016さらに経済・財政再生計画改革工程表等で検討が求められていた事項が中心。
 高額療養費制度については、70歳以上の現役並み所得者と一般区分の限度額を引き上げる方向で見直すべきとした。後期高齢者の保険料を軽減している政令上の特例に関しては、本則に戻すか、あるいは廃止することに「大きな反対意見はなかった」とし、慎重な書きぶりながら特例を見直す方向でまとめた。
 入院時居住費の患者負担(光熱水費相当額)に関しては、2017年10月から医療療養病床に入院する医療区分Ⅰの患者を1日320円から370円に引き上げるとともに、Ⅱ・Ⅲの患者についても200 円から370 円へ段階的に引き上げる考えを示した。さらに、「医療療養病床以外の病床でも、長期入院の場合は光熱水費相当額の負担を求めるべきとの意見があった」と少数意見を盛り込んだ。
 入院時居住費負担の医療区分Ⅱ・Ⅲの患者への適用拡大に対しては、日本医師会副会長の松原謙治委員が反対との意見を表明した。
 「かかりつけ医普及の観点からの外来時定額負担」の導入および「スイッチOTC 化された医療用薬品」の給付率引き下げは引き続き検討課題とされ、結論が先送りされた。このほか、子ども医療費助成を実施する自治体に対する国保公費負担部分の減額調整措置については、その対象から未就学児までの医療費助成は除外するかたちで2018年度より見直すべきとの「意見が多かった」とまとめた。

 

全日病ニュース2017年1月1日・15日合併号 HTML版

 

 

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