全日病ニュース

健康日本21（第二次）の中間評価の方法を議論

【厚労省・推進専門委員会】
2018年夏を目途に53項目の目標の達成状況を評価

　厚生労働省の健康日本21（第二次）推進専門委員会（辻一郎委員長）は２月17日、健康日本21（第二次）の中間評価の進め方と方法について協議した。設定している53項目の目標について来年夏を目途に評価を行うため、地域保健健康増進栄養部会と連携して検討を進めることを確認した。
　健康日本21（第二次）は、生活習慣病やその原因となる生活習慣の改善に関する課題について目標を設定し、国民が主体的に取り組む健康づくり対策として2013年４月にスタートした。10年間の計画であり、５年後の2018年夏に53項目のすべての目標について中間評価を行う予定となっている。
　このため、厚生科学審議会・地域保健健康増進栄養部会の下に推進専門委員会を設置し、同部会と連携して検討作業を進めることになっている。今後、検討状況に応じて専門委員を追加する予定だ。健康格差縮小に関する目標項目である都道府県別健康寿命の算定値が来年５～６月に公表される予定であり、それを受けて６～７月に中間評価の報告書案をまとめることとした。
　中間評価では、53項目の指標について計画策定時の値と直近の値を比較し、分析上の課題や関連する調査・研究のデータを踏まえ、目標に対する数値の動きを分析・評価する。2011年10月にまとまった健康日本21（第一次）の最終評価と同様に、53項目の指標について、(a) 改善している、(b) 変わらない、(c) 悪化している、(d) 設定した指標または把握方法が2013年の設定時と異なるために評価が困難－の４段階で評価することで合意した。分析・評価の結果については、指標ごとに「評価シート」に作成する。目標値の動きを予測して設定している場合には、予測値と実績値の動きが分かるように示す。
　国や自治体の活動も評価
　国、自治体、企業や団体の取組みで、特徴的なものを整理して評価を行う方針だ。健康寿命の延伸や健康格差の縮小に関し、政府全体の動きとしては、日本再興戦略（2013年６月閣議決定）、健康・医療戦略（2014年７月閣議決定）、ニッポン総活躍プラン（2016年６月閣議決定）があるほか、厚労省の動きでは保健医療2035提言書（2015年６月）、「地域共生社会の実現に向けて」（2017年２月）がある。また、民間の活動では、2015年７月に発足した日本健康会議がある。
　こうした健康格差の縮小に向けた取組みや社会環境の整備は、複合的な取組みが一体的に進んでいるため、主要な対策について取組み全体が理解できるように整理することとした。
　社会環境整備の取組みの例としては、①健やかなこころを支える社会づくりの推進②企業活動を通じた減塩しやすい社会環境づくりの推進③地域格差の解消を目指したう蝕予防対策の推進－があり、取組み全体の構造がわかるように工夫して整理する。