全日病ニュース

医師の働き方規制による地域医療への影響訴える

【四病協】厚労省検討会の議論の行方に警戒感

　四病院団体協議会は９月27日に総合部会を開き、医師の働き方改革や新専門医制度の情勢をめぐり協議した。
　医師の時間外労働規制について、厳格な対応を行うと、地域の救急、産科医療などが維持できなくなる可能性があることを関係者に強く訴えるべきとの意見で一致した。新専門医制度については、総合診療専門医の審査基準が十分な議論を経ずに、決まっていることへの懸念が示された。
　厚生労働省の「医師の働き方改革検討会」が、医師の時間外労働規制のあり方と勤務環境改善策の議論を進めている。医師の労働者性が論点になっているが、四病協では、医師の特殊性を考慮せず一般の労働者と同列に扱う方向で検討会の議論が進むことに警戒感がある。総合部会では、議論の行方を懸念する意見が相次ぎ、時間外労働規制を医師に厳格に適用すれば、地域の医療現場が維持できなくなることを強く訴えるべきとの方向性でまとまった。
　総合診療専門医の研修では、「東京、神奈川、愛知、大阪、福岡は12カ月以上のへき地・過疎地域、離島、被災地、医療資源の乏しい地域での研修が条件」になった。その結果、大都市の研修プログラムが絞られる傾向があるという。ただ、このプログラム認定基準が、機構で十分に議論されなかったことやプログラムの申請応募時に明確にされていなかったとの指摘がある。
　また、全日病の猪口雄二会長は会見で、病院の一部を介護医療院に転換させた場合の病院の名称について、病院名に介護医療院の文字を併記することには問題がある、という考えを示した。