全日病ニュース

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高齢者の医薬品適正使用指針(詳細編)のコンセプトを協議

高齢者の医薬品適正使用指針(詳細編)のコンセプトを協議

【厚労省・高齢者医薬品適正使用検討会】療養環境別に3編で構成

 厚生労働省の高齢者医薬品適正使用検討会(印南一路座長)は5月7日、高齢者医薬品適正使用指針の総論編に続き作成する詳細編のコンセプトをめぐり意見交換した。療養環境別に3編で構成し20ページ程度で作成する考えで、2018年度中にまとめる予定だ。
 高齢者医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループ(秋下雅弘主査)が4月19日にまとめたコンセプト案をもとに協議した。
 高齢者医薬品適正使用指針の詳細編は、総論編の追補として位置づけられる。療養環境別の特徴を踏まえた薬剤投与の留意点を記載する。また、国民の啓発のための資料も作成する。
 療養環境別の分類と取り上げる内容は、次の通り。
 追補1「外来・在宅医療」
 入退院・入退所時の情報の引継ぎ、外来・在宅医療での処方の見直しのタイミング、処方見直しの留意点(場面に応じた薬剤の優先)、地域内多職種の役割、多職種チームの形成
 追補2「慢性期・回復期等入院医療」
(地域包括ケア病棟)
 急性期医療からの情報の引継ぎ・連携、入院時の処方見直しのタイミング、処方見直しの留意点(場面に応じた薬剤の優先)、多職種の役割、多職種チームの形成、退院時の引継ぎ・連携
 追補3「その他の療養環境(介護を含む)」
(介護医療院、老健施設)
 外来・在宅、急性医療からの情報の引継ぎ・連携、入所時の処方見直しのタイミング、処方見直しの留意点(場面に応じた薬剤の優先)、多職種の役割、多職種チームの形成、退所時の引継ぎ・連携

 年内に骨子案を作成
 当初の案では、追補1に特別養護老人ホームを含めるとしていたが、委員から「わかりにくい。追補3に含めるのが適切」との意見があり、検討する。急性期の入院医療は総論編に含めた。
 このコンセプトに沿って、高齢者医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループが7月までに調査やデータの選択を行い、調査を実施した上で年内に詳細編の骨子案を作成する。
 また、この日の検討会は、パブリックコメントを反映して一部を改変した「高齢者医薬品適正使用指針(総論編)」を大筋で了承した。厚労省は、5月中にも指針の総論編を通知として地方自治体などに送り、全国の医療機関や薬局に周知する方針だ。

 

全日病ニュース2018年6月1日号 HTML版