全日病ニュース

都道府県に訪問診療の目標設定を求める

【厚労省・在宅医療等ＷＧ】医療計画の在宅医療の項目を確認

　厚生労働省の「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」（田中滋座長）は５月23日、第7次医療計画における在宅医療の取組みの策定状況について協議した。訪問診療の目標設定のない都道府県に策定を促すとともに、国保データベース（KDB）の利活用を充実させることで合意した。
　WGは、今年度始まった新医療計画の中間見直しに向け、各都道府県が設定した在宅医療の目標の設定状況を確認する役割を担う。
　同日は、厚労省から①第７次医療計画における在宅医療に関する取組みの策定状況②第７次医療計画における在宅医療に係る整備目標の策定プロセスの検証③都道府県が把握している医療機関ごとの在宅医療の機能に関するデータ―の報告があった。
　在宅医療に関する取組みの策定状況では、在宅医療圏を地域医療構想区域と同一に設定したのは37都道府県、退院支援ルールを在宅医療圏域すべてで作成しているのは15都県だった。また、「訪問診療を実施する診療所・病院数」を設定したのは39都道府県で、８府県が記載していないことがわかった。
　在宅医療の整備目標の策定プロセスの検証では、「介護施設・在宅医療等の追加需要」の受け皿となるサービスの検討に当たり、最も多く活用したデータは「患者調査」で国保DBのデータを示したのは13道府県にとどまった。
　日本看護協会の代表は、「訪問看護の数値目標を十分に設定していない都道府県がある」と指摘。全日病副会長の織田正道委員は「訪問診療の充実には、訪問看護が重要」と同調した。
　これらの意見を踏まえ、WGは訪問診療の目標設定を促すことで合意。在宅医療・介護サービス双方のデータを把握できる国保DBを自治体が利活用できるように支援することも決めた。