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2018年度予算概算要求に関する要望提出

【四病協・総合部会】消費税財源で医療への予算配分求める

　四病院団体協議会は５月24日、2018年度予算の概算要求に関する要望書を加藤勝信厚生労働大臣あてに提出した。
　消費税や働き方改革、ICT、災害対策など24項目にわたる。特に、来年10月に予定どおり消費税を10％に引上げて財源を確保し、医療に十分な予算配分を行うことを求めている。
　消費税の引上げにあわせ、控除対象外消費税問題を解決する必要がある。医療界は、現行の非課税制度の下でも診療報酬での補てんを上回る負担に対して超過額の税額控除（還付）を認める税制上の措置を主張していることから、そのための財源確保が必要とした。
　働き方改革関連では、医政局が示した「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組み」などに対応するため、ICT などを活用した厳密な勤怠管理を行うための補助を要望した。医師から他業種への業務移管では、人材採用・養成の費用を必要とした。病院で働く医師が総合的な診療能力を得るための事業のための支援も求めた。
　介護関連では、介護医療院に転換するための費用や外国人技能実習生受入れ事業に対する補助を盛り込んだ。
　ICT 関連では、電子カルテの標化のための財源確保などを要望した。
　外国人患者の受入れ体制整備では、外国人向け医療コーディネーターや医療通訳の配置などの支援とあわせて、治療費を回収するための手段の確保などの体制確保が必要としている。
　災害医療関連では、AMAT（全日本病院医療支援チーム）とDPAT（災害派遣精神医療チーム）への支援をあげた。病院の耐震化が71.5％にとどまることを踏まえ、「南海トラフ地震等の大震災に一刻も早く備えるため、耐震化率の引上げが急務」と訴えた。国土交通省の耐震対策緊急促進事業や厚労省の医療施設耐震化促進事業、医療施設等耐震整備事業の拡大を求めた。

　神野委員長が専門医で提言案
　同日の総合部会では、専門医制度のあり方をめぐり議論した。６月の役員改選後に日本専門医機構に意見書を提出することで合意した。機構はサブスペシャリティ数について、「極めて限定的に認定する」との方針を示しているが、現状の動向をみると、なし崩し的に増える恐れがあり、改めて抑制的な対応を取るよう要請する。
　また、四病協の「専門医制度のあり方検討委員会」の検討状況の報告があった。神野正博委員長は、国民・医師・病院・地域の視点で専門医を考えるとともに、専門医を取得しない医師の質の担保を提言案に盛り込むとした。