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ホーム全日病ニュース(2019年)第943回/2019年7月1日号医療提供体制の三位一体の改革に慎重な対応求める...

医療提供体制の三位一体の改革に慎重な対応求める

医療提供体制の三位一体の改革に慎重な対応求める

【四病協・総合部会】看護補助者の位置づけも今後検討

 四病院団体協議会は6月19日、総合部会を開き、終了後に日本病院会の相澤孝夫会長が会見を行った。厚生労働省が、地域医療構想・医師偏在対策・医師の働き方改革を三位一体で進める方針を示していることに対し、現状で行われているそれぞれの課題への取組みに混乱が生じないよう、慎重な対応を求めた。
 相澤会長は、三つが相互に関連しているのは事実と指摘。ただ、各地の地域医療構想調整会議が、公立・公的病院の機能の重点化など地域医療構想の実現に向けた議論を進めている状況で、医師偏在対策や医師の働き方改革の要素が加わると、「それまで進めてきたことにブレーキがかかる」との懸念を示す意見が出ているとした。
 二次医療圏単位の調整会議が3つを整合的に議論するのは、「『反対』というよりも『無理』」との判断がある。また、5月16日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」の「議論の整理」では、医師偏在対策や医師の働き方改革と、地域医療構想が整合的であるかを改めて確認することや、公立・公的病院の持続可能性の観点での役割の見直しに言及しており、WGの委員から反発が出て、議論が続いている。
 医師の働き方改革関連では、看護補助者の確保策が議論になった。病院で介護の仕事が増える一方で、看護補助者は減少傾向にあり、確保に困難を抱える病院が増えている。現状で職種としての位置付けが不明確であることから、今後の看護補助者のあり方や評価について検討していく意向を示した。
 看護補助者については、6月3日の医療従事者の需給に関する検討会・看護職員需給分科会の議題になっている。看護補助者の確保が困難な理由として、「募集しても応募がない」との回答が多いことなどが示された。給与が低いことが一因と考えられる。医療機関で働く介護職に対しては、2018年度診療報酬改定において看護補助加算で一定の手当てが行われたが、介護報酬による処遇改善加算に相当する評価がないことに対する不満もある。
 専門医制度に対しては、日本病院会として厚労省や関係団体に要望書を提出したことを報告した。専門医制度では、専攻医募集の際に設定する都道府県の上限人数やサブスペシャリティの認定で、厚労省の医道審議会や学会の決定を追認する状況に陥っている。四病協でも、専門医制度に対して意見を表明すべきとの声が高まっていた。
 日病の要望書は、昨年8月に全日病の神野正博副会長(専門医制度のあり方検討委員会)が中心になってまとめた四病協の「社会はいかなる専門医を必要としているのか」を踏まえ、4項目を並べた。4項目は、①第三者性の担保②組織構成の強化③専門医の位置付け④地域偏在、診療科偏在への取組み─。組織強化では、病院団体代表1名を加えて、副理事長職を3名にすることを求めている。

 

全日病ニュース2019年7月1日号 HTML版

 

 

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    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20190601/news13.html

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    の方は、最新号まですべての紙面PDFがご覧頂けます。 ... 働き手不足への対応では、
    ICT・ロボットの導入の補助をあげた。 ... また、厚労省が地域医療構想と医師の働き方
    改革、医師偏在対策を三位一体で推進すると説明していることに対し、 ...

  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2019年5月15日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2019/190515.pdf

    2019年5月15日 ... ... 医師・医療従事者の. 働き方改革③医師偏在対策を三位一体 ... などは赤字が補助
    金等で補てんされる。 それを同列で .... 介護同時改定ではないが、訪問看護ス.
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