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子どもの医療費援助「18歳年度末まで」の自治体が３割超える

【厚労省・乳幼児等医療費の援助の調査】多数の市区町村が都道府県の対象より拡充

　厚生労働省は８月７日、2018年度の「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」結果を公表した。市区町村の医療費援助の対象年齢の上限は上昇傾向にあり、18歳年度末（高校生）までの子どもの医療費を援助する市区町村が全体の３割を超えた。
　医療保険制度における子どもの医療費の自己負担分については、すべての市区町村が援助を実施している。そして全都道府県が、域内の市町村に補助を行っている。
　多くの市区町村が都道府県の補助を上回るかたちで対象年齢の拡大などを行っている。自治体により医療費援助の対象年齢や所得制限の有無に違いがあるため、厚労省が2018年４月１日時点での都道府県と市区町村の医療費援助の実施状況を調査した。

都道府県の援助「就学前まで」が最多
　まず、都道府県における子どもの医療費に対する援助の状況を、通院と入院に分けてみていく。
　通院の医療費については、半数超の25道府県が医療費援助の対象年齢を「就学前まで」としている。次に多いのが「15歳年度末（中学生）まで」で８都府県。次いで「12歳年度末（小学生）まで」が４県だ。所得制限を設けている都道府県は29で、所得制限なしは17。医療費援助について、自己負担「あり」とするのが多数で、37都道府県だ。
　入院の医療費に対する援助でも、最も多いのは「就学前」までで、20府県。16都府県が「15歳年度末まで」、６道県が「12歳年度末まで」である。所得制限を設定している都道府県は28、なしは18。自己負担「あり」は34道府県、「なし」は、12都県となっている。

86％が「所得制限なし」
　市区町村における医療費援助の状況をみてみると、都道府県の補助を上回って援助している自治体が多い。
　全1741市区町村について、通院についての医療費援助の対象年齢を調べると、最も多いのは「15歳年度末まで」で1007。次いで「18歳年度末まで」が541、「12歳年度末まで」が96。前年と比べると、18歳年度末までの市区町村が67増加しており、対象年齢を拡大する傾向がみられる。対象年齢を最もせばめて「就学前まで」としている市区町村は81にとどまり、前年より30減少した。
　通院の医療費について所得制限を設けていない市区町村は、全体の86％に当たる1494。自己負担は63％に当たる1089が「なし」としている。
　入院の医療費についてみてみると、最も多いのは通院と同様に「15歳年度末まで」で1082。次いで「18歳年度末まで」は586、「12歳年度末まで」は61。前年と比べると、18歳年度末までの市区町村が75増えている。「就学前まで」の市区町村は、前年は12だったが2018年は減少してわずか７となった。
　入院医療費の所得制限を設けていないのは1495。自己負担を「なし」としているのは通院医療費の場合よりも多く、全体の68％に当たる1188。
　通院・入院の医療費を最長の22歳年度末まで援助しているのは、北海道の南富良野町で、所得制限はなく、一部自己負担もなし。
　20歳年度末まで通院・入院の医療費を援助しているのは、茨城県境町（所得制限あり、一部自己負担あり）と奈良県山添村（所得制限なし、一部自己負担あり）。