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一緒に働く介護労働者は外国人労働者にポジティブな印象

【介護労働実態調査】事業所は技能実習生活用への意欲強い

　介護労働安定センターは８月９日、2018年度介護労働実態調査を公表した。外国人労働者と一緒に働くことについて、実際に働いている介護労働者は「職場に活気が出る」などとポジティブな印象を持つ傾向が示された。
　調査は、事業所と介護労働者の双方を対象に2018年10月に行われた。全国の介護サービス事業所から無作為抽出した1万８千事業所を対象にアンケートを実施。さらに各事業所の労働者３名を上限に選出し、協力を依頼した。回答は9,102事業所（ 回収率51.6％）、２万2,183人（同41.9％）。
　外国人労働者を受け入れている事業所は2.6％で、受入れの内訳は留学生が42.5 ％、日系人が30.0 ％、EPA が20.2％、技能実習生は9.0％など。
　今後、外国人労働者を活用する予定が「ある」のは13.3％で、その内訳は技能実習生が65.2％と最も多く、EPAによる受入れが37.3％、留学生が33.1％、日系人が28.3％などと、技能実習生の活用への意欲が強い。
　他方、外国人労働者と一緒に働くことについて介護労働者に聞いた（複数回答）。一緒に働いている人では、「労働力の確保ができる」（48.5％）や「業務が軽減される」（26.8％）以外にも、「職場に活気が出る」（30.8％）や「利用者が喜んでいる」（25.8％）など、ポジティブな印象を持っている傾向が示された。
　外国人労働者がいない職場の人では、「労働力の確保ができる」は40.1％と同様に高かったが、「業務が軽減される」は16.2％、「職場に活気が出る」は18.0％、「利用者が喜んでいる」は11.9％などと低かった。
　その一方、「利用者等との意思疎通において不安がある」が54.1％、「生活、習慣等の違いに戸惑いがある」が46.1％などと高く、マイナスの印象が強い傾向が示された。ちなみに一緒に働いている人では、それぞれ33.6％、25.2％と相対的に低かった。

介護労働者の21.6％が60歳以上
　全介護労働者の平均年齢は47.7歳。65歳以上は12.2％で全体の１割を超えている。60歳以上は21.6％と２割。60歳以上の割合は近年高まっている。職種別では、訪問介護員では60歳以上が39.2％と４割近くを占める。
　また、訪問介護員や介護職員の１年間（2017年10月1日から2018年９ 月30日まで）の離職率は15.4％と、前年度よりも0.8ポイント低下した。採用率は18.7％と、0.9ポイント上昇した。
　一方、介護サービスに従事する従業員の不足感を示す回答は0.6ポイント上昇し、67.2％となった（「大いに不足」10.5％、「不足」23.1％、「やや不足」33.6％ の合計）。こうした不足感は2013年以降、５年連続で増加している。不足の理由は「採用が困難」が89.1％で、その原因は「同業他社との人材確保競争が激しい」が56.2％と高かった。
　処遇に関しては、正規職員（月給）の所定内賃金の平均は、前年度より3,712円増加し23万4,873円となった。賃金は年々増加している。
　賞与の支給は、「定期的に支給している」が最も多く、正規職員で69.6％、非正規で40.4％。正規職員の平均支給賞与額は、前年度より4,941円増加し59万8,379円となった。
　労働者に勤務先の希望を聞いたところ、「今の勤務先で働き続けたい」は全体で57.3％と、前年度よりも0.4ポイント上昇している。職種別では、訪問介護員が65.7％と高い一方、介護職員は54.2％と全体を下回った。