全日病ニュース

愛知学会のプログラムが確定

【第61回全日本病院学会 in 愛知】９月28・29日に名古屋で開催
太田学会長が特別講演、シンポジウムで官民格差を徹底討論

　第61回全日本病院学会 in 愛知（太田圭洋学会長）が９月28・29日に『矜持～今こそ示せ、医療人のプライド～』をテーマに愛知県名古屋市で開催される。このほど、そのプログラムが確定した。
　６月に閣議決定した骨太の方針2019は、地域医療構想、医師偏在対策、医療従事者の働き方改革を三位一体で進める考えを示した。３つの改革は、いずれも民間病院の経営に深くかかわる。太田学会長は、「今進められている改革は中小民間病院にとって極めて厳しいが、矜持を持って改革に向かい合っていかなければならない」という思いから今回の学会テーマを設定した。

地域医療構想の
最新の動向を知る

　学会１日目は、開会式に続いて日本医師会の横倉義武会長、厚生労働省の鈴木康裕医務技監が特別講演を行う。その後、太田学会長が講演し、学会テーマに込めた思いを述べる。
　続くシンポジウム１のテーマは、「地域医療構想」だ。地域医療構想をめぐっては、公的病院の改革プランを検証し、代替可能性がある場合には他の病院との統合・再編を議論する方針が示されている。調整会議では、各病院の将来を左右する重大な協議が行われることになるだろう。シンポでは、鈴木健彦地域医療計画課長の講演に加え、地域医療構想ワーキングチームのメンバーである織田正道副会長と伊藤伸一日本医療法人協会会長代行が議論に参加する。
　１日目午後のシンポジウム３『官民格差徹底討論!!』は、太田学会長の発案によるもの。病院経営における官民格差は、以前から民間病院経営者が訴えてきた問題だが、地域医療構想の中で公立病院の代替可能性が議論されることから避けて通れない課題となっている。シンポでは、公立・公的病院と民間病院のそれぞれの立場を代表する演者が登壇し、議論する。太田学会長が座長を努める。
　１日目午前のシンポジウム２「令和時代の職場環境づくり」では、人材不足を乗り越えるための人材育成・確保、業務効率化の実践例が報告される。
　２日目午前のシンポジウム４「地域包括ケアとACP」では、国立長寿医療研究センターでACPの普及啓発に取り組む三浦久幸在宅連携医療部長が講演する。ACPは、地域包括ケアシステムの推進と深いかかわりがある。シンポジウムでは、各地の実践例が聞けるだろう。
　同じく２日目午前のシンポジウム５「病院事務職の矜持」では、経験豊富な演者から、病院事務職の仕事のエッセンスを学びたい。
　２日目午後の市民公開講座「人手不足もなんのその！～医療介護と外国人労働者～」では、人材不足時代における外国人労働の問題を議論する。ASEAN諸国の高齢化に伴い、優秀な海外人材の獲得は容易ではなくなっている。外国人看護師・介護士に長く働いてもらうには、生活面の配慮に加え、社会的基盤の整備が必要だ。
　このほかにも注目すべき特別講演やセッションが目白押しのプログラムとなっている。愛知学会に参加し、医療制度改革の最新情報を得るとともに、病院経営のヒントを持ち帰ってほしい。