全日病ニュース

医師のタスク・シフティング／シェアリングで要望書

【四病協】厚労省が優先させる３要件に該当しない項目も盛り込む

　四病院団体協議会は１月15日、厚生労働省の吉田学医政局長に「医師のタスク・シフティング／シェアリング」に関し、要望書を提出した。医師の働き方改革を推進するため、薬剤師、看護師、臨床検査技師、臨床工学士、医師事務作業補助者、救急救命士についての項目で要望した。
　「医師の働き方改革を推進するためには、医療安全等を確保しつつも既存の役割分担にとらわれない業務移管を行う必要がある」と指摘。厚労省の「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト／シェアの推進に関する検討会」において、優先的に検討すべきとされた３要件を満たすタスク・シフト／シェアの項目以外の項目も盛り込んだ。
　薬剤師については、「医師等との協働により作成した包括的指示に基づく投薬の実施や持参薬の継続提案など現行法の下で可能なタスク・シフトを確認」することを求めた。看護師については、「特定行為研修修了者はもとより、病棟、介護施設等の一般看護師が医師の包括的指示の下に、患者の状態に応じて柔軟に対応できること」を求めた。
　診療放射線技師については、「放射線部門の検査における静脈ルート確保、医療機関外でのマンモグラフィーの単独撮影等」を要望した。静脈ルート確保もマンモグラフィーの単独撮影もタスク・シフト等推進検討会では３要件には該当しないと整理されている。
　臨床検査技師については、「採血のための静脈ルート確保およびロック、血液培養を含む検体採取等」を要望した。
　臨床工学技士については、「全身麻酔装置に伴う麻酔作動薬や循環作動薬等の輸液ポンプを用いた静脈ライン確保と静脈ラインからの薬剤投与、硬性鏡の保持および術野確保のための操作」、「血液浄化施行時、動脈表在化を含むバスキュラーアクセスへの穿刺、カニューレ留置および不要カニューレの抜去」などをあげた。「バスキュラーアクセスへの穿刺、カニューレの留置および不要カニューレの抜去」の３要件の取扱いでは賛否が分かれる。
　医師事務作業補助者については、◇患者への説明◇電子カルテの記載◇各種書類作成等事務業務─など多くのタスク・シフティングが普及するよう診療報酬での対応を要望した。
　救急救命士については、医師の指示に基づき、医療機関内で救急外来や病棟急変時の救急救命措置や診療補助が行えるよう改めて法律改正を求めた。