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ホーム全日病ニュース(2022年)第1010回/2022年6月1日号オン資システムを活用し医療機関間の情報を送受信

オン資システムを活用し医療機関間の情報を送受信

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【厚労省・医療情報ネットワーク】3文書・6情報をHL7 FHIRで標準化

 厚生労働省の「健康・医療・介護情報利活用検討会」の「医療情報ネットワークの基盤に関するワーキンググループ」(中島直樹主査)は5月16日、全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための基盤として、オンライン資格確認等システムネットワーク(以下、オン資システム)を通じた電子カルテ情報交換サービスの創設を了承した。
 医療機関や薬局の間でやり取りする3文書・6情報をHL7 FHIR にデータ変換することで標準化し、オン資システムで送受信できるようにする。
 政府のデータヘルス改革における医療・介護分野での情報利活用の推進では、医療機関間の情報共有を可能にするための電子化カルテ情報などの標準化を図る方法を検討している。工程表では、2022年度中に、全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための基盤のあり方をIT室(デジタル庁)と調整しつつ検討し、結論を得ることになっている。
 全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とする基盤としては、患者がマイナンバーカードや健康保険証を用いて、医療機関や薬局で医療保険の資格を確認できるオン資システムを活用する考えだ。政府は、オン資システムの普及を図るため、医療機関や薬局に補助金を出すとともに、2022年度診療報酬改定では新たな点数を設定している。
 2023年1月から始まる「電子処方箋」の運用でも、オン資システムを活用することになっている。
 電子カルテ情報交換サービスでは、本人同意の下で、電子カルテに入っている3文書・6情報を医療機関や薬局の間で、送受信できるようにする。3文書とは、診療情報提供書・退院時サマリー・健診結果報告書で、6情報とは、傷病名・アレルギー・感染症・薬剤禁忌・検査(救急・生活習慣病)・処方である(左下図を参照)。
 3文書・6情報のデータ交換は、オンライン上で医療文書情報のデータ連携を標準化するための国際規格であるHL7 FHIRを採用する。
 現在、オン資システムは、社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会が担っているが、電子カルテ情報交換サービスについても同団体が運用するかは、今後の検討課題となる。
 また、将来的には、薬剤・健診情報と同様に、個人がマイナポータル(情報提供等記録開示システム)で閲覧できる情報とすることも検討される。
 電子カルテ交換サービスの費用を誰が負担するかという問題を含め、これらのより具体的な検討課題は、同ワーキンググループの構成員を見直した上で、改めて議論する。同ワーキンググループの了承事項は、翌日の5月17日の健康・医療・介護情報利活用検討会に報告された。今後、社会保障審議会・医療部会などにも報告する。
 電子カルテ情報の標準化について病院団体は、電子カルテにかかる高額な費用の軽減につながることを期待しているが、現段階でそのような方向に向かうかは不透明だ。

 

全日病ニュース2022年6月1日号 HTML版

 

 

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