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ホーム全日病ニュース(2022年)第1010回/2022年6月1日号2023年度の共用試験公的化へ向けた意見書案を概ね了承

2023年度の共用試験公的化へ向けた意見書案を概ね了承

2023年度の共用試験公的化へ向けた意見書案を概ね了承

【医道審・医学生共用試験部会】共用試験の統一合格基準の設定求める

 厚生労働省の医道審議会医師分科会医学生共用試験部会(中谷晴昭部会長)は4月22日、2023年度から公的化される共用試験に関する意見書案をおおむね了承した。統一合格基準の設定や、OSCEを8課題で実施することなどを盛り込んだ。最終的な修正は部会長預かりとなり、5月23日に厚労省のホームページで公表された。
 共用試験は、知識を評価するCBT(Computer Based Testing)と、技能・態度を評価するOSCE(ObjectiveStructured Clinical Examination) で構成される。医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)が試験実施主体を担っている。
 CBTはコンピュータを用いた多肢選択筆記試験で、参加型臨床実習開始前に十分な医学的知識を修得しているかを評価する。OSCEでは臨床能力をはかり、模擬患者への医療面接や診察の様子を認定評価者が評価する。
 現在、CBTは全国医学部長病院長会議(AJMC)により最低合格基準が設定され、各大学はこれをもとに独自の合格基準を設定。OSCEには最低合格基準はなく、各大学は独自の合格基準を設定している。
 公的化後の共用試験については、医学生の知識・技能を担保し、受験者間の公平性を確保する観点から、CATOにおいて統一合格基準を設定することが必要とした。
 また、公的化後のOSCEは課題数と種類を統一し、2023年度以降は、①医療面接②頭頸部③腹部④神経⑤胸部⑥全身状態とバイタルサイン⑦基本的臨床手技⑧救急―を実施することが適当とした。
 2025年4月以降、公的化後の共用試験への合格が国家試験の受験要件になる。厚労省は、公的化前の共用試験を3年次に受験した医学生について、経過措置として個別の対応を行う考えを示した。
 委員からは、模擬患者の人員確保と質の担保の両立を課題とする意見があがった。「模擬患者を増やすためには、自大学で養成した模擬患者が自大学の試験を担当できるようにすべき」とする意見の一方で、「公正性の担保からは自大学養成の模擬患者ではないほうがよい。将来的に制限する方向性が望ましい」との意見があった。
 また、実際に試験を行う大学の負担軽減のため、複数大学の学生を対象に合同で試験を行う「OSCEセンター」の設置に関する意見も相次いだ。CATOでの検討のほか、意見書への記載を求めた。

 

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