全日病ニュース

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補填率 65.3%の病院が100%未満。病床数が増えるほど低下

補填率
65.3%の病院が100%未満。病床数が増えるほど低下

【消費税率引上分の補填率】
四病協と日病協が共同で調査。病院全体で344億円不足の可能性

 四病院団体協議会と日本病院団体協議会が共同で実施した「医療機関における消費税に関する調査」の結果(最終報告)がまとまり、2月27日に発表した。昨年4月の8%引き上げに対応して診療報酬に相当額を上乗せしたが、その補填率は病院全体(中央値)としては84.2%にとどまった。
 調査は、2014年8月から9月にかけて、四病協と日病協に所属する1,075病院を対象に実施され、433件の回答が寄せられ、有効回答303件について集計が行なわれた。
 補填率は、消費税率引き上げ前の事業年度の実績をもとに、税率引き上げによる経費の増加分と診療報酬の補填分を推計することによって算出した。
 その結果、補填率は、50%未満が回答病院の4.6%、50%以上100%未満が60.7%、100%以上150%未満が20.8%、150%以上が13.9%と病院間のばらつきが大きかったが、全体の中央値は84.2%となった。
 補填率が100%未満の病院は65.3%と、全体の2/3にのぼったが、補填率が低い病院には、給与率が低い、減価償却率が高いという特徴がみられた。
 補填率を病床規模別にみると、200床未満は中央値が99.4%を示したものの、200~399床は88.3%、400床以上は73.9%と、病床数が増えるほど補填率は低下、全体の中央値は84.2%であった。
 総額補填率(個々の病院の補填率ではなく、一定範囲の病院における補填額総額の経費増総額に対する比率)でみた補填状況は、76.2%であった。
 それを病床規模別にみると、200床未満が99.2%、200床以上400床未満が87.2%、400床以上が70.5%と、どの規模クラスでも補填不足の可能性があることが分かった。
 調査結果について、四病協・日病協の報告は、以下の点に留意するよう求めている。
①消費税率引き上げ前の主に13年度の会計データを用いて補填率を推計したもので、引き上げ後の14年度の正確な実態を捕捉したものではないこと。
②今回は2014年4月の5%から8%への3%引上分を調べたもので、それまでの5%については対象としていないこと。
 報告は、今回の結果をもとに全国8,540病院の消費税補填の過不足を推計すると、不足額は総額344億円に達する可能性がある、としている。

2015年度介護報酬改定説明会、2会場に550人

 全日病が主催する「2015年度介護報酬改定説明会」が2月24日に東京都内で開催された。当初はメイン会場(定員450人)のみであったが、定員を上回る参加希望が寄せられたため、急遽クラウド型ビデオ会議を配備した全日病の大会議室を第2会場(100席)として確保、計550人の参加を得た。
 講師は厚生労働省老健局の迫井正深老人保健課長。90分にわたって、15年度介護報酬改定の全体像と主要項目そして留意点について詳しく解説した。