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特定保健指導対象者の第一基準は腹囲を継続

特定保健指導対象者の第一基準は腹囲を継続

【保険者健診検討会】
健診の質問は計22項目

 厚生労働省保険局の「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」(多田羅浩三座長)は6月3日、2018年度以降の第3期特定健診・特定保健指導に向けた見直しを協議。特定保健指導の対象者の選定で、引き続き「腹囲」を第一基準とすることで一致した。
 特定健診・特定保健指導は基本的に、「内臓脂肪の蓄積に起因する生活習慣病が対象」であるため、腹囲が基準に満たなければ、特定保健指導から除外される。基準は、男性「85センチ以上」、女性「90センチ以上」としている。
 しかし、腹囲が基準を下回っていても、血圧リスクなどに応じて、循環器疾患の発症リスクが上昇することなどが指摘されている。このため、健康局が事務局を務める「特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会」では、腹囲が基準未満であっても、高血圧、高血糖、高脂血症、喫煙歴というリスク因子に応じたハイリスク者は、特定保健指導と同程度の介入が必要であるとの議論が行われていた。
 これに対し、3日の保険局の検討会の議論では、腹囲は本人自身が計測できることに加え、簡便性にすぐれ、低コストであるため、「腹囲」を第一基準として継続することが「現実的」と判断された。
 また、特定健診の質問項目についても、「ゼロベースでの議論ではなく、必要最小限度の見直し」にすることを決めた。項目の「修正」「追加」「削除」を行っても、合計22項目が維持される見通しとなった。項目数の変更によるコンピュータシステム改修のコスト増を避けることも理由とした。
 保険局は、質問票について4項目を追加、4項目を削除、合計22項目にするとの改正案を説明。委員の意見を踏まえ、改めて取りまとめを行う予定だ。新たな質問項目では、「砂糖入り飲料を毎日飲みますか」「自分の歯は何本ありますか」などを加えることを提案した。
 2017年度の概算要求に特定保健指導のシステム改修や事務の経費を計上するため、7月末までに保険者による特定保健指導に関して、検討会の方向性をまとめる必要がある。一方、特定健診の質問事項の結論は夏以降となる。

 

全日病ニュース2016年7月1日号 HTML版

 

 

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