全日病ニュース
維持期リハビリの円滑な介護への移行などを議論
維持期リハビリの円滑な介護への移行などを議論
【医療・介護の意見交換】
多職種連携ではICTを活用
厚生労働省の「医療と介護の連携に関する意見交換」は4月19日、「リハビリテーション」と「関係者・関係機関の調整・連携」をテーマに、中央社会保険医療協議会の委員と社会保障審議会・介護給付費分科会の委員が意見を交わした。リハビリでは、状態の改善が期待できる患者に適切なリハビリが提供できる体制などが議論された。連携では、ICT の活用など医療と介護の多職種が情報共有できる環境づくりで、様々な意見が出た。
意見交換は今回が2回目。前回(3月22日)は「看取り」と「訪問看護」をテーマとした。2回の意見交換の結果は、2018年度診療報酬・介護報酬同時改定に向けて、中医協と分科会の議論に反映させる。
送迎が介護への移行の障害
維持期リハビリは現在、医療と介護の役割分担の観点から、医療保険から介護保険への移行を進めている。具体的には、入院中の患者以外の要介護被保険者に対する標準的算定日数(180日)を超えるリハビリを2017年度末までに原則介護保険に移行させる方針だ。
2016年度診療報酬改定では、維持期リハビリの減算措置を拡大するとともに、介護保険でのリハビリを提供していなければ、さらに2割の減算とした。
厚労省は、移行後に同じ病院・診療所で介護保険のリハビリを提供できるよう介護保険の施設基準の緩和等を行ってきたと説明。ただ、医療保険の疾患別リハビリの人員基準等は介護保険の通所リハビリとは同一でないため、基準を満たす必要がある。
全日病副会長の猪口雄二委員は、通所リハビリでは、送迎が原則であることが移行の障害の一つになっていると指摘。「送迎を原則にしなければ、届出もできない。病院は元々送迎を想定していないので、特に都心では送迎が困難な病院が少なくない」と述べた。
厚労省は、「かつては加算だったが利用者から通えないとの訴えがあり、要件になった。考え方は送迎を行うのが原則」と答えた。猪口委員は「通所リハビリの届出をしやすくすれば、医療保険から介護保険への移行もスムーズになるのではないか」と提案した。
そのほか、リハビリに関して、医療保険と介護保険の実施計画書の改善が論点となった。両者の記載内容は概ね共通しているものの、円滑な情報提供・情報共有が行われないために、介護保険で再度記載が必要になるなど非効率な運用になっている。そのため厚労省が技術的な対応を行うことになった。
テレビ会議で連携を促進
「関係者・関係機関の調整・連携」については、厚労省が「入院時の居宅介護支援事業者と医療機関との連携で医療機関の都合に合わせた訪問調整や、情報提供を行う機会の確保に困難を感じる事業者が多い」などの課題を指摘。
委員から、「関係職種が一堂に会することが困難な場合に、テレビ会議などICT を積極的に活用すべき」との意見が相次いだ。情報共有を図るため、「お薬手帳」を活用する提案も出た。
ICT 活用の場面としては、例えば診療報酬の「退院時共同指導料2」の加算で、患者の退院後の在宅医療を担う医師もしくは看護師、歯科医師、薬剤師、訪問看護ステーションの看護師、居宅介護支援専門員のうち3者以上と共同して患者を指導することを求めている。
現行で患者と対面しない指導は、「明確に禁止していないが、想定していない」ため、今後のICT 活用に関し、一定の要件緩和が議論される可能性がある。指導の前段階として行う多職種連携のカンファレンスをテレビ会議などで行うことは現在でも可能だ。
全日病ニュース2017年5月1日号 HTML版
[1] 平成28年度診療報酬改定に関する要望書(第2回)
http://www.ajha.or.jp/topics/nichibyou/pdf/151202_3.pdf
次期改定に向けた議論が終盤に入ったこの時点で、 これまでの中央社会保険医療
協議会. (中医協) の審議状況 ... 日病協要望 (第 ー 回) で主張しているとおり、 維持期
リハビリテーションの継続を再度. 要望する。 維持期 ... その一方、 介護保険による
デイケア (通所リ. ハ施設) の充実は ... チーム医療における多職種の連携の評価. 多
職種の連携 ...[2] チーム医療(PDF)
http://www.ajha.or.jp/guide/pdf/080821.pdf
リハビリテーション科などで働いている専門職種がチーム組んで、それぞれ. の専門分野
... 保健師、管理栄養士 ... 支払いが分割にできないか、仕事への復帰に対する不安や
家族介護の不安等 ... そこで多職種が関わり情報を共有し、連携を図りながら協力する
ことで、 .... リテーションや治療を担う医療機関の役割、維持期のリハビリテーションを担.
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