全日病ニュース

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専門医の新たな仕組みでQ&Aを作成

専門医の新たな仕組みでQ&Aを作成

【日本専門医機構】
制度新整備指針運用細則は修正せず

 日本専門医機構(吉村博邦理事長)は4月14日の会見で、来年度から開始を予定する新たな専門医の仕組みについて、Q&Aを公表することを明らかにした。新たな専門医の仕組みに対し、地域医療への懸念を含め、様々な意見が出ていることから、早急に作成し、関係者の理解を求める考え。また、パブリックコメントを募集していた専門医制度新整備指針運用細則は大きな修正は行わず、現行通りとする予定。
 当初2017年度からの開始を予定していた新たな専門医の仕組みは1年延期し、今夏以降の専攻医の募集に向け準備を進めている。しかし、地域医療への影響や専門医のあり方を疑問視する意見が依然としてあり、厚生労働省に「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」が設置される状況になった。これまで行ってきた議論が「十分に理解されていない」(吉村理事長)ことから、機構としてQ&Aを作成することにした。
 同日の理事会では、Q&Aに対し様々な意見が出たことから、決定を見送り、意見を反映した上で、機構のホームページに掲載する。Q&Aでは、「専門医はなぜ必要か」、「従来の専門医制度について」、「日本専門医機構について」、「専門医の養成について」、「専門医を受け入れる施設の対応について」、「専門医の登録について」などで項目を設けている。特に「専門医の都市部への集中を防ぐための措置」などで丁寧な記述を行っているという。
 専門医制度新整備指針運用細則については、個別項目の記述で修正要望を含む様々な意見が寄せられたが、賛否両論があり、大きな変更は行わない方向となっている。また、形成外科、産婦人科、救急科の専門医更新基準を承認したことが報告された。なお総合診療専門医の研修プログラムはまだ確定していない。

 

全日病ニュース2017年5月1日号 HTML版