全日病ニュース

質の確保・向上目指し健診団体連絡協議会が発足

【人間ドック】
全日病など４団体で構成

　人間ドック健診の質の確保・向上を目指す健診団体連絡協議会が４月４日、会見を開いた。同協議会は全日病、日本病院会、日本総合健診医学会、日本人間ドック学会の４団体で、２月16日に発足した。初代議長に、日本人間ドック学会の篠原幸人理事長が就任した。
　篠原理事長は、予防医療の重要性が高まる中で、健診実施率が３割程度で低迷していることから、国民への普及啓発が重要と強調した。
　多くの保険者が健診機関と契約し、被保険者への人間ドック健診を実施しているが、施設認定基準や判定区分基準などが各団体、各施設により異なるため、健康保険組合連合会が統一化を求めていた。今回４団体として、基準の統一化に向けた議論が必要と判断した。ただ、「個人の健康状態を把握する上で、現状に問題があるわけではない」と指摘している。なお、健保連はオブザーバとして参加した。
　全日病の安藤高朗副会長は、「４団体がまとまることで健診の質と量が確保でき、膨大なデータベースとなるのは大きなメリット。４団体が力をあわせることで、国にも提言しやすくなる」と協議会発足の効果を説明した。また、基準統一については、「多くの医療機関があるので、ハードルをあまり上げてしまうと現場が混乱する。慎重に進めていく必要がある」と述べた。さらに、受託費用についても、コストに見合う料金設定の議論が必要とした。
　同日の資料では、現状の問題点として、◇認定施設の基準が各団体で異なる◇健診の判定区分基準が各団体・各施設で異なる。測定方法の明記がない場合がある。結果のフォーマットが統一されていない─ことをあげた。機器の精度管理や医師の説明が十分かどうかをチェックする仕組みも課題とした。
　また、2018年度から改訂される予定の特定健診の項目やがん検診の内容を踏まえた検討を行うとともに、日本医学健康管理評価協議会との協力を進める。人間ドック健診を医療費控除の対象としていくことも今後要望する考え。