全日病ニュース

加藤厚労大臣が出席
「都道府県が主体的に医師確保対策を推進する体制を構築」

【四病協が賀詞交歓会開く】消費税問題の解決は今年が正念場

　四病院団体協議会は2018年の賀詞交歓会（新年の集い）を都内のパレスホテル東京で開き、政界111人（うち秘書90人）、厚生労働省等省庁34人を含め、789人が参加した。
　開会宣言をした日本精神科病院協会の山崎學会長は、昨年12月18日に決まった2018年度診療報酬改定について「0.6％のプラスとなったが、薬価等の引下げを考えると結局はマイナス改定になった。病院団体と日本医師会が一本になって、この国の医療を恒久的に運営するためにがんばりたい」と述べた。
　続いて四病協を代表して日本病院会の相澤孝夫会長が挨拶。「診療報酬・介護報酬の同時改定が行われる今年は、将来に向けて医療・介護の扉を開く重要な年であり、改革のための一歩を踏み出す年である」と述べるとともに、「未来の医療はこれまでの医療の延長線上にはない。病院は自らの等身大の姿をきちんと見ることが大切であり、地域の状況を把握して何をすべきなのかを考えなければならない。変革の試練を乗り越えて明るい未来を築いていこう」と呼びかけた。
　来賓として挨拶した加藤勝信厚生労働大臣は、「団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、多様なニーズに対応するため変化に耐えうる医療体制を構築することが求められる」と述べるとともに、地域医療構想について、「転換する病床数など具体的な対応を速やかに策定するため、２年間で集中的に検討いただくこととしている」と発言。データ分析や医療機関間の役割分担に関する好事例を共有するとともに、地域医療構想を踏まえた施設整備に対し、地域医療介護総合確保基金により重点的に支援を行うなどきめ細かい支援を行う考えを示した。
　医師偏在については、都道府県が主体的に医師確保対策を推進する体制を構築するとともに、医師が地方で勤務することを後押しする仕組みを盛り込んだ法案を通常国会に提出すると表明。医師の働き方改革では、地域医療への影響を考慮しながら丁寧に検討していると報告。「医療従事者が健康でなければ、医療そのものが成り立たない」として、勤務環境改善の努力を求めた。
　チャレンジの年を迎える世界医師会の公務のため欠席した日本医師会の横倉義武会長に代わって挨拶を代読した今村聡副会長は、国民医療推進協議会などを通じて医療界が一致した意見を国政に届けた結果、厳しい財政事情の中、診療報酬本体は前回改定を上回るプラス0.55％となり、医科に限ってみるとプラス0.63％となったことを報告した。また、国民と医療機関に不合理な負担を強いている医療に係る消費税について、税率10％への引上げが来年10月に予定される中で、抜本的な解決を図っていかなければならないと述べた。
　続いて日本医療法人協会の加納繁照会長が、「消費税の問題は今年が正念場だ。支援をいただき、いい解決策を出していきたい」と述べて、乾杯の音頭をとった。
　交歓会の最後には、全日病の猪口雄二会長が「これまでで一番と思うほどの盛況になった。これから診療報酬改定を含め、病院にとっては大変厳しいことがあるが、逆にチャレンジのし甲斐がある年を迎えたと考えたい。みなさんのご指導、ご支援をよろしくお願いしたい」と締めくくり、会を終えた。