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ホーム全日病ニュース(2018年)第926回/2018年10月1日号診療報酬の補てん不足に厳しい意見相次ぐ...

診療報酬の補てん不足に厳しい意見相次ぐ

診療報酬の補てん不足に厳しい意見相次ぐ

理事会で消費税問題を討議

 控除対象外消費税に対する診療報酬の補てん不足が明らかになったことを受けて、全日病は8月25日の理事会で、この問題を取り上げ討議した。出席した理事から、補てん不足分の返還を求めるべきなど、厳しい意見が相次いだ。
 理事会では安藤副会長が、消費税問題をめぐる国会の状況を報告。「補てん状況の検証に間違いがあったことに対して、厚生労働省と現場には温度差があるように感じられる。公的調査の信頼性が揺らいでおり、後から調査結果を検証できるようにすることが重要だ」と指摘するとともに、国会内で勉強会を開催するなどして、「関心を高めていきたい」と述べた。
 続いて猪口会長が医療機関等における消費税問題の経緯を説明。8月29日に四病協・三師会が共同でまとめた提言を記者発表することを明らかにするとともに、診療報酬の補てん不足の対応について考えを述べた。猪口会長は、医療機関によって補てん状況に差があることから足並みをそろえるのは難しいとしつつも、「急性期病院全体として、何らかの主張を行いたい」と述べた。
 また、補てん状況の計算間違いに関する厚労省の説明に不明な点があるとして、「日病協ではどこで間違いが生じたのかの詳細な調査を行うことを求める方向だ」と説明した。
 消費税が8%から10%に引き上げられる際には、診療報酬の課税化も視野に入れつつ、一方で、診療報酬で対応する場合に備える必要があるとし、「病院種別により控除対象外消費税に多寡があるのは明らかなので、精緻化を求める」とした。
 急性期の大型病院で補てん不足が大きく、経営が圧迫されていることから、福祉医療機構(WAM)による無担保低金利の融資が受けられるよう対応を図ることも一案であるとした。
 猪口会長の報告に対し、出席した理事から次のような意見があった。
○消費税導入から30年が経って診療報酬での対応は無理があるのがはっきりした。やはり課税化を主張しなければ駄目だ。
○今回の補てん不足に対しては、技術的に難しいとしても、返してくれというのが常識ではないか。
○診療報酬で対応するとしても、個別病院ごとの過不足はきちんと把握できるようにすべきだ。DPC制度の係数のような手法を用いれば精緻化することも可能ではないか。
○病院団体としてあるべき姿を主張すべきだ。理屈が通らないことにははっきり主張しない限り、それを認めたことになってしまう。

 

全日病ニュース2018年10月1日号 HTML版

 

 

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  • [3] 2018.8.15 No.923 控除対象外消費税の大幅な補てん不足が明らかに

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