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ホーム全日病ニュース(2019年)第939回/2019年5月1日号勤務医負担軽減や大病院受診の定額負担などの調査結果示す...

勤務医負担軽減や大病院受診の定額負担などの調査結果示す

勤務医負担軽減や大病院受診の定額負担などの調査結果示す

【中医協総会】2018年度診療報酬改定の結果検証

 厚生労働省は3月27日の中医協総会(田辺国昭会長)に、2018年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の結果を報告した。2018年度改定の附帯意見で、診療報酬改定結果検証部会に委ねられた結果検証調査9項目のうち、今回は4項目の結果が示された。
 4項目は、①かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査(その1)②在宅医療と訪問看護に係る評価等に関する実施調査③医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査(その1)④後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査─。病院との関連が深い項目の結果をみていく。

①かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査(その1)
 2018年度改定では、大病院の外来医療の機能分化を推進する観点から、紹介状なしで大病院を受診した患者等の定額負担を徴収する責務がある病院を拡大した。具体的には、「特定機能病院および一般病床500床以上の地域医療支援病院」が「特定機能病院および許可病床400床以上の地域医療支援病院」となった。
 新たに定額負担の仕組みの対象となった病院(一般病床500床未満かつ許可病床400床以上の地域医療支援病院)のうち、2018年度以前から定額負担を導入していた病院は98.9%。初診の定額負担の平均額は2017年10月で3,131円だったが、改定後の2018年10月には、5,000円が最低金額であることから、5,352円となった。
 2018年度改定以前から定額負担が義務化されている対象病院(特定機能病院および一般病床500床以上の地域医療支援病院)の初診の定額負担の分布をみると、2018年10月時点で、「5,000円以上6,000円未満」が96.6%、「6,000円以上」が3.4%となっている。
 かかりつけ医機能については、「専門医療機関への受診の要否の判断を含めた、初診時における診療機能」を評価する観点で、機能強化加算(80点)を2018年度改定で導入した。地域包括診療加算・地域包括診療料等、在宅時医学総合管理料等を届出・算定している医療機関が対象である。
 回答した72病院のうち、機能強化加算の施設基準を届け出ている病院は77.8%。届け出ていない病院に、満たすことが困難な要件をきくと、「地域包括診療加算・地域包括診療料等、在宅時医学総合管理料等の届出」との回答が53.8%で最も多く、次いで「夜間・休日の問い合わせへの対応」が38.5%となっている(複数回答)。

②在宅医療と訪問看護に係る評価等に関する実施調査
 2018年度改定では、24時間体制の在宅医療や多様化・高度化するニーズに対応する改定を行った。具体的には、複数の医療機関で24時間の往診体制を確保する評価や2カ所目の医療機関による訪問診療の評価、在宅療養支援診療所(在支診)以外の医療機関による医学管理の評価などを設けた。
 2018年4月~9月に、自施設が主治医で訪問診療を提供している患者について、他の医療機関に訪問診療を依頼した場合の診療科は、病院では「内科」が30.8%で最も多く、次いで「精神科」、「皮膚科」、「歯科」がともに15.4%。診療所では、「内科」が31.2%で最も多く、次いで「皮膚科」(19.5%)だった。
 他の医療機関に訪問診療を依頼した患者の対象病名で最も多いのは、病院では「循環器疾患(高血圧症、心不全など)」、「認知症」、「皮膚疾患(褥瘡等)」、「歯科・口腔疾患」がともに、15.4%で最も多かった。診療所では「皮膚疾患(褥瘡等)」(19.5%)で最も多い。

③医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査(その1)
 病院勤務医の負担軽減策として、一定の効果があることが確認されている医師事務作業補助体制加算の届出状況を調べた。2018年度改定では、すべての配置割合で、医師事務作業補助体制加算1・2の評価を引き上げた。あわせて、病院勤務医の負担軽減策を複数盛り込んだ計画を立てることを医師事務作業補助体制加算の算定要件としている。
 医師事務作業補助体制加算の届出状況をみると、2017年10月1日と2018年10月1日を比べ、加算1の算定は全体(500病院)の35.5%から37.3%に上がった。病床規模別では、99床以下で2.0ポイント、100 ~ 200床では3.6ポイント、200 ~ 399床では1.1ポイントの上昇となっている。
 医師事務作業補助体制加算を算定していない理由は、「施設基準を満たすことが難しいため」が44.7%で最も多く、次いで「加算の要件に沿った医師事務作業補助者の配置のメリットが少ない」が40.7%となっている(複数回答)。
 病院が実施している医師の負担軽減策は、「医師事務作業補助者の外来への配置」が52.2%で最も高く、次いで「医師の増員」が42.5%、「医師業務の薬剤師との分担」が42.5%で、同じ割合だった(複数回答)。「特に医師の負担軽減効果がある取組み」をきくと、「医師事務作業補助者の外来への配置」が31.9%で最も多く、次いで「医師の増員」が30.0%、「医師業務の看護師(特定行為研修修了者を除く)との分担」が17.9%との回答だった(複数回答)(下の図表参照)。
 医師への質問で、総合的な勤務状況の変化をきくと、「改善した」と「どちらかというと改善した」をあわせた回答は18.1%であるのに対し、「悪化した」「どちらかというと悪化した」をあわせた割合は19.0%となっている。「変わらない」との回答は60.1%である。
 各業務のうち、「負担が非常に大きい」「負担が大きい」との合計で、負担が最も大きいとされる業務は、「主治医意見書の記載」が59.1%で最も多い。次いで「診断書、診療記録および処方箋の記載」(58.7%)、「検査、治療、入院に関する患者の家族への説明」(47.5%)となっている(複数回答)。
 医師のみが実施している業務で、他業種に実施・補助してほしいものをきくと、「診察や検査等の予約オーダリングシステム入力」が57.6%で最も多く、次いで「主治医意見書の記載」が57.3%で多くなっている(複数回答)。
 一方、看護師長調査で、2018年度改定前後の総合的な勤務状況の変化をきくと、「改善した」「どちらかというと改善した」の合計が23.6%、「悪化した」「どちらかというと悪化した」の合計が21.5%だった。医師とは異なり、改善したとの回答が多かった。

④後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査
 2017年10月と2018年10月を比べ、病院における後発医薬品の使用割合は74.6%から78.5%に3.9ポイント増加した。現在の加算対象の下限である60%以上の病院の割合は84.3%から85.3%まで1.0ポイント増加。「75% 以上~80%未満」、「80%以上~ 85%未満」はそれぞれ2.2ポイント、12.2ポイント高くなった。後発品の備蓄品目数は、平均205.3品目から平均225.2品目に増加した。

特に医師の負担軽減効果がある取組(複数回答、3つまで)

※ 医師事務作業補助体制加算を算定している病院(届出病院)、算定していない病院(未届病院)からそれぞれ750施設を無作為抽出した合計1,500施設のうち、回答が有効だった504施設の結果(有効回答率33.6%)

 

全日病ニュース2019年5月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 平成30年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査

    https://www.ajha.or.jp/topics/jimukyoku/pdf/181024_1.pdf

    2018年10月22日 ... (1)かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査( ... 患者を
    対象とする調査票(定額負担患者票A)と、それ以外の病院を受診した.

  • [2] 平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査

    https://www.ajha.or.jp/topics/jimukyoku/pdf/161012_5.pdf

    平成28年度診療報酬改定において、医療従事者の負担を軽減する観点から、医 ... (2)
    かかりつけ医かかりつけ歯科医に関する評価等の影響及び紹介状なしの大病院受 ...
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    実施状況、一定規模以上の保険医療機関における定額負担の状況等を把握する。

  • [3] かかりつけ医機能の診療報酬の評価を議論|第890回/2017年3月15 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20170315/news01.html

    2017年3月15日 ... 中医協(田辺国昭会長)は2月22日に総会を開き、かかりつけ医機能を ... で「
    かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担の導入」の検討が中医協に ... (2)
    かかりつけ医・かかりつけ歯科医に関する評価等の影響及び紹介状なしの大病院受.

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