全日病ニュース

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医師の時間外労働規制の見取り図

医師の時間外労働規制の見取り図

【資料】

「緊急的な取組」の徹底に向けて


□ 医師の労働時間短縮に関する当面今後5年間の改革を着実に進めるためには、「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」の確実な実施が不可欠。特に、労働基準法等に基づく基本的な労働時間管理は、現状でも使用者の責務であるが、昨年9~ 10月に実施したフォローアップ調査においては、検討に着手していない医療機関が一定程度あり、義務の未実施が疑われる。

□ 「緊急的な取組」で求めた項目が未実施の病院については、2019年度中に都道府県医療勤務環境改善支援センターが全件、個別に状況確認を行い、必要な対応を求めていくこととする。※「緊急的な取組」の実施状況も踏まえて、医師の労働時間短縮に向けたさらなる行政の支援策を検討する。

勤務医を雇用する医療機関における取組項目
1 医師の労働時間管理の適正化に向けた取組
□ まずは医師の在院時間について、客観的な把握を行う。
□ ICカード、タイムカード等が導入されていない場合でも、出退勤時間の記録を上司が確認する等、在院時間を的確に把握する。

2 36協定等の自己点検
□ 36協定の定めなく、または定めを超えて時間外労働をさせていないか確認する。
□ 医師を含む自医療機関の医療従事者とともに、36協定で定める時間外労働時間数について自己点検を行い、必要に応じて見直す。

3 産業保健の仕組みの活用
□ 労働安全衛生法に定める衛生委員会や産業医等を活用し、長時間勤務となっている医師、診療科等ごとに対応方策について個別に議論する。

4 タスク・シフティング(業務の移管)の推進
□ 点滴に係る業務、診断書等の代行入力の業務等については、平成19年通知等の趣旨を踏まえ、医療安全に留意しつつ、原則医師以外の職種により分担して実施し、医師の負担を軽減する。
□ 特定行為研修の受講の推進とともに、研修を修了した看護師が適切に役割を果たせる業務分担を具体的に検討することが望ましい。

5 女性医師等の支援
□ 短時間勤務等多様で柔軟な働き方を推進するなどきめ細やかな支援を行う。

6 医療機関の状況に応じた医師の労働時間短縮に向けた取組
□ すべての医療機関において取り組むことを基本とする1~5のほか、各医療機関の状況に応じ、勤務時間外に緊急でない患者の病状説明等を行わないこと、当直明けの勤務負担の緩和(連続勤務時間数を考慮した退勤時刻の設定)、勤務間インターバルの設定、複数主治医制の導入等について積極的な検討・導入に努める。

行政の支援等
□ 厚生労働省による好事例の積極的な情報発信、医療機関への財政的支援、医療勤務環境改善支援センターによる相談支援等の充実 等

医師の時間外労働規制

 

全日病ニュース2019年5月1日号 HTML版

 

 

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