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第7次医療計画中間見直しで救急と災害医療の指標を検討

第7次医療計画中間見直しで救急と災害医療の指標を検討

【厚労省・救急災害医療検討会】心肺停止患者の予後などアウトカム評価

 厚生労働省の救急・災害医療提供体制等のあり方に関する検討会(遠藤久夫座長)は7月18日、2021年度からの第7次医療計画の中間見直しに向け、救急医療と災害医療に関する具体的な指標の設定の議論を開始した。救急医療では、心肺停止患者の予後などアウトカム指標の設定が課題となった。
 第7次医療計画は2018年度からの6年計画で中間点の見直しがある。その際に、救急医療と災害医療を含む5疾病5事業、在宅医療の指標も改めて検討することになっている。
 厚労省は救急医療の課題について、救急搬送患者が救急救命センターなどに搬送され、安定後もベッドを埋めてしまう「出口問題」を解決するため、かかりつけ医や介護施設などとの連携体制を評価する指標の検討を促した。具体的には、◇緊急入院患者における退院調整・支援の実施件数◇一般診療所の初期救急医療への参画率◇受入困難事例の件数─などを示した。
 委員からは特に異論は出なかったが、連携体制を評価するために、1施設にとどまらない患者の経過に関する一連のデータを収集・分析する必要性を指摘する意見が相次いだ。
 アウトカム評価としては、「心肺機能停止傷病者の一カ月後の予後」の指標の導入が課題とされた。一カ月後の「生存率」や「社会復帰率」が具体的な指標となる。心肺停止患者だけでなく、「外傷、心筋梗塞、脳卒中、敗血症」のアウトカム評価も行うべきとの意見が委員からあった。
 災害医療については、熊本地震の経験などを踏まえ、保健医療調整本部を設置し、様々な災害派遣医療チームを調整するコーディネータ役の重要性が認識されるようになり、通知も出された。このため、災害派遣医療チームを連携させる体制を評価する指標などを検討する。
 これに関して、全日病常任理事の猪口正孝委員は、「災害医療では日頃の訓練が重要になるが、災害派遣医療チームやコーディネータ役を含めた行政の体制に関して、研修を行っているかを何らかの形で評価すべきではないか」と提案。他の委員からも賛同を得た。
 そのほか、BCP(業務改善計画)やEMIS(広域災害・救急医療情報システム)を有効に活用する態勢に向けて、議論していく方針が示された。

 

全日病ニュース2019年8月1日号 HTML版

 

 

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