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シーリングを精査する協議会を８月に立ち上げ

【日本専門医機構】11月に意見まとめ、厚労省に提出

　日本専門医機構の寺本民生理事長は７月22日の会見で、今年度募集の専攻医から適用される診療科別の都道府県別上限設定（シーリング）について、設定の前提となる厚生労働省の推計を精査する協議会を８月中に立ち上げ、11月までに検討結果をまとめる方針を示した。厚労省推計に対しては、学会や都道府県から「肌感覚に合わない」との疑念が生じており、検討結果を厚労省に報告し、改善につなげたい考えだ。
　新たに導入するシーリングの前提になる数字は、医師偏在対策の議論の中で厚労省が推計したもの。医師の働き方改革を踏まえた労働時間で働く将来の医師数と現状の医師数を診療科別・都道府県別に推計し、その過不足をみている。医師の労働時間が長い診療科は不足傾向に、短い診療科は過剰傾向に数字が出るので、相対的に労働時間が短い精神科などでシーリングがかかりやすくなる。また、医師偏在の是正も前提になるので、「充足感」がなくても、足りているとされる場合がある。
　日本専門医機構は現場の実態を踏まえたシーリングの設定が必要と主張。2021年度のシーリングに向けて、関係学会や人口動態の専門家に加え、厚労省担当者も参加する協議会を立ち上げる。各学会や自治体から意見聴取した上で、11月に意見をまとめる方針を示した。
　また、専門研修の「１階部分」の基本診療領域と「２階部分」のサブスペシャルティのさらに上の「３階部分」の検討を進めていることを紹介した。ただ、厚労省の医道審議会・医師分科会医師専門研修部会は「２階部分」のサブスペシャリティについて、まだ認定を認めていない状況にある。