全日病ニュース

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定額負担を一般病院200床以上まで広げる

定額負担を一般病院200床以上まで広げる

【全世代型社会保障検討会議】中間報告まとめる 2022年度初めまでに実現

 政府の全世代型社会保障検討会議(安部晋三議長)は12月19日、中間報告をまとめた。外来医療の機能分化を進めるため、200床以上の一般病院にまで、紹介状なしの受診時定額負担を拡大し、増額分については医療保険財政に繰り入れる方向を示した。遅くとも2022年度初めまでに実現する方針だ。
 患者が大病院に集中することを防ぎ、かかりつけ医機能を強化するため、紹介状なしに病院の外来を受診した際の定額負担を拡大する方針を示した。現行制度では、他の医療機関から文書による紹介がない患者が大病院を外来受診した際、初診時5,000円・再診時2,500円以上の定額負担を求めているが、これらの患者負担額を増額する。
 そのうえで、増額分については、医療機関の収入とせず、公的医療保険の負担を軽減するよう、保険財政に繰り入れる方向を示した。
 大病院・中小病院・診療所の外来機能の明確化を行うとともに、対象病院を病床数200床以上の一般病院にまで拡大することも明記した。
 遅くとも2022年度初めまでに実施することをめざして同会議は検討を続け、夏の最終報告に結論を盛り込む。社会保障審議会と中医協も、同時に検討していく。来年夏までに案を固め、速やかに法制上の措置を講じるとのスケジュールを示した。
 具体的な患者負担額を検討する際、患者の医療へのアクセスを過度に制限しないよう配慮しつつ、病院と診療所の機能分化が適切に行えるよう、現行の定額負担の徴収状況を検証する。定額負担を徴収しない場合の要件を見直す方針も示した。
 75歳以上の後期高齢者医療についても、負担能力に応じたものに改革する必要があると明記し、一定所得以上の後期高齢者は医療費の窓口負担を2割に引き上げる方針を示した。
 具体的な移行時期や2割負担になる人の所得基準は、2020年夏の最終報告に向けて検討する。疾病の性質上、長期にわたり頻繁に受診が必要な患者への配慮も検討する。社会保障審議会でも同時に検討を進め、来年夏までに案をまとめ、遅くとも2022年度初めまでに実現できるよう法制上の措置を講じるとした。

日病協は対象拡大に「反対」で一致
 日本病院団体協議会は12月20日、紹介状なし外来受診時定額負担の対象を200床以上の一般病院に拡大することに、「反対」との認識で一致した。出席者から地域を支える病院の外来が制限されることに強い懸念が示された。

 

全日病ニュース2020年1月1・15日合併号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 医療・介護提供体制および診療報酬体系のあり方について

    https://www.ajha.or.jp/topics/nichibyou/pdf/090106.pdf

    2008年12月19日 ... 国レベルでの整備が必要であり、現行のナショナルセンター、大学病院本院、. その他
    より、 ... 精神科診療所開設数が増加するに伴い、精神科外来患者数も増大している。し.
    かし、精神科 ... (2) 急性期外来診療と慢性期疾病管理. 急性期医療 ...

  • [2] 第3章 医療・介護提供体制:「病院のあり方に関する報告書」(2011年版)

    https://www.ajha.or.jp/voice/arikata/2011/03.html

    一方、医療の重症性から長期的入院を余儀なくされた患者には、慢性期(現行の医療
    療養病床)における入院が必要となる。 ... プライマリケア医が日常の疾病管理を行う
    に当たり、治療方針を決め、あるいは定期的に評価する。 ... 国民にとって望ましい外来
    医療は、通院可能な距離に信頼のおける医師がおり、日常の健康管理はもちろん、急性
    期疾患罹患時にも診療をしてくれる医療の存在であり、また、入院を要する場合には、
    適切な ...

  • [3] 第6章 診療報酬体系:「病院のあり方に関する報告書」(2015-2016年版)

    https://www.ajha.or.jp/voice/arikata/2016/06.html

    疾病と状態像の特性を十分加味し、重症度、医療必要度、看護必要度を反映する ...
    現行の診療報酬体系を見ると、①~⑥のそれぞれに検討・改善の余地があるものの、
    特に、④現時点での重症度、医療必要度、看護 ... 急性期・救急疾患外来 :出来高払い.

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