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コロナの自宅・宿泊療養者の診療で報酬増額

【厚労省・事務連絡】オンライン診療の報酬も上乗せ

　新型コロナの全国的な感染拡大が続く中で、政府は８月に入り、新型コロナ対策を転換。感染拡大地域における緊急的な対応として、入院を重症者や重症化リスクの高い患者等に重点化し、それ以外は自宅・宿泊療養を基本とする考えを示した。これに伴い、従来の対策を継続するとともに、補助金や診療報酬で新たな対応を図るため、事務連絡で具体的な取扱いを示している。
　補助金については、８月16日の事務連絡の付属資料で、新型コロナ緊急包括支援交付金による医療機関への支援を、10月以降も当面実施する方針が示された。四病院団体協議会は７月29日に、田村憲久厚労大臣宛てで、交付金の期限が９月30日に設定されていたことから、継続を要望していた。ただ、９月30日までの診療報酬の特例については、まだ取扱いが決まっていない。
　８月16日の事務連絡では、８月16日以降に、臨時の医療施設、健康管理を強化した宿泊療養施設、入院待機ステーションに医療従事者等を派遣する場合の緊急包括支援交付金の上限額を２倍とする区分を医療チーム派遣事業に新たに設けた。時給で医師は1万5,100円、医師以外の医療従事者は5,520円、業務調整員は3,120円としている。
　８月19日の事務連絡では、８月19日以降に、重点医療機関に医師以外の医療従事者を派遣した場合の補助金の上限額を時給8,280円に引き上げた。

オンライン診療で報酬を上乗せ
　診療報酬の対応では、８月16日の事務連絡により、新型コロナの自宅・宿泊療養者に対して、医師が、電話や情報通信機器を用いたオンラインの診療を行った場合に、新たに二類感染症患者入院診療加算（250点）を算定できることを示した。適用は８月16日から。
　新型コロナの感染拡大を踏まえ、現在、電話・オンライン診療の取扱いが緩和され、初診からの実施が特例で可能となっている。診療報酬では、初診で214点、電話等再診で73点を算定できる。今回、これに加えて、新型コロナの自宅・宿泊療養者に対する電話・オンライン診療で、二類感染症患者入院診療加算（250点）を算定できる。「患者に対し主として診療を行っている保険医が属する１つの医療機関」において、１日１回算定できるとしている。
　７月30日の事務連絡では、医療機関が自宅・宿泊療養者に対して、新型コロナ関連の訴えで、患者・家族の求めに応じて往診した場合等に、往診料または在宅患者訪問診療料を算定した日に、新たに救急医療管理加算１（950点）を算定できることとした。適用は７月30日から。患者に対して「主として診療を行っている保険医が属する1つの医療機関」が、１日１回算定できる。
　８月４日の事務連絡では、医療機関または訪問看護ステーションが新型コロナの自宅・宿泊療養者に対して、主治医の指示に基づき、緊急に訪問看護を実施した場合に、医療機関であれば長時間訪問看護・指導加算（520点）、訪問看護ステーションであれば長時間訪問看護加算（5,200円）を算定できることを示した。適用は８月４日からで、患者に対して主として訪問看護を行った医療機関等は時間を問わず、１日１回算定できる。
　また、この場合、主治医の指示に基づいて作成した訪問看護計画に定めた訪問看護を実施しても、長時間訪問看護・指導加算または長時間訪問看護加算を算定できることも明らかにした。
　８月11日の事務連絡では、８月４日の事務連絡の取扱いについて、精神障害者への長時間精神科訪問看護・指導加算（520点）または長時間精神科訪問看護加算（5,200円）の算定も可能であることを明確化した。さらに、新型コロナの自宅・宿泊療養者に、特別訪問看護指示書を交付できることも示した。