全日病ニュース

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介護療養と25対1病床の移行先となる3施設別に機能・特性を整理

介護療養と25対1病床の移行先となる3施設別に機能・特性を整理

【新たな施設類型】
社保審に諮る案まとまる。現行施設の転換と既存施設+居住施設がベース

▲検討会に臨む土屋常任理事(写真右端)

 2018年3月末で廃止が決まっている介護療養病床と医療法看護配置の経過措置が終わる療養病床25 対1 の転換先となる「新たな施設類型」について検討を重ねてきた「療養病床の在り方等に関する検討会」は、1月15日の会合で社会保障審議会に提案する整理案をまとめ、1月28日に公表した。(8面に詳細記事を掲載)

 整理案は、医療区分Ⅰを中心とした長期の医療・介護が必要な者を対象とした、既存病床とは異なる「新たな施設類型」として、まず、既存病床を活用する医療内包型と医療施設に居住施設を併設した医療外付け型を想定。さらに、前者を医療と介護の必要度で2つに分けた、つごう3タイプを提唱。
 そのうち、医療内包型の2タイプを「長期療養に対応した施設(医療提供施設)」と位置づけた。その上で、サービスの特徴、利用者像、医療機能、介護機能ごとに3タイプの施設特性を示し、「新たな施設類型」が提供するサービスの各モデルとした。
 そして、「新たな施設類型」を医療・介護サービスの密度の高い順から「案1−1」「案1−2」「案2」として区分、全体を療養病床20 対1 と特定施設入居者生活介護の間に位置づけた。
 3 タイプは当該既存施設からの移行を第一義とし、そのために必要な規制の緩和や6.4㎡等にかかわる経過措置の必要を認めているが、一般病床等からの参入を否定していない。
 また、「実際の移行先は、各医療機関が、入院する患者像や経営状況などを勘案して、既存類型や上記の対応案の中から自ら選択する」と記し、自主的判断に委ねる選択肢を提供するとの考えを明確にしている。
 以上を含め、整理案で示された3タイプのサービスは、前回(12月25日)に事務局(厚労省保険局医療介護連携推進課)が示した案(たたき台)と基本的に変わっていない。

□「療養病床の在り方等に関する検討会」構成員の土屋繁之常任理事の談話

 今回(第7回)でこの検討会は終了となる。この検討会の目的は“慢性期の医療・介護ニーズに対応する今後のサービスの提供体制を整備するため、介護療養病床を含む療養病床の在り方をはじめ、具体的な改革の選択肢の整理等を行うこと”であることが最後の最後まで強調され、検討を終えた。
 具体的な療養給付をどこで行うのか、新たな類型はどのような人員配置となるのか、現行の介護療養病床と医療療養病床(25:1)の機能は本当に維持されるのか等々、真剣に議論すべきところは社会保障審議会医療部会、介護保険部会等において議論を行うとされた。  多くの構成員が参加して行った検討会であったが、最前線で働いている私どもの考えがどれほど制度に反映されるかとなると不安が残る検討会となった印象は私だけであろうか。とにかく医療従事者が納得し、国民に満足頂ける制度の構築を望みたい。
 厚労省関係の会議に初めて出席させて頂いた。このような機会を与えて頂き心より感謝申し上げる。お役には立てなかったが現場の声を少しでも発することはできたのではないかと思っている。

 事務局が提示した整理案に対して、構成員である全日病の土屋常任理事は「現行制度の継続をぜひ認めてほしいが、万一それができないとすればこの案がベターではないか」とした上で、「ただし、分かりやすい枠組みがよい。3類型の相互の違いをもっと明確にしてほしい」と、さらなる精緻化を求めた。
 他の構成員からも解釈上の疑問や修正意見が多く出たが、最終的にその趣旨を概ね了承し、修文は遠藤久夫座長(学習院大学経済学部教授)に一任、28日の公表となった。

 

全日病ニュース2016年2月1日号 HTML版

 

 

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