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初の患者申出療養は胃がん患者の抗がん剤投与

初の患者申出療養は胃がん患者の抗がん剤投与

【厚労省・評価会議】
10月中旬に告示を予定

 厚生労働省の患者申出療養評価会議(福井次矢座長)は9月21日、患者申出療養制度に基づいて初めて申請された医療技術を条件つきで認めた。腹膜播種の胃がん患者への「S -1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法」で、東京大学医学部附属病院が申請した。10月中旬の告示後に実施される。
 患者申出療養制度は今年度から始まったが、これまで申請はなかった。保険外併用療養費の新たな仕組みで、保険外の医療について患者の申し出により、臨床研究中核病院(臨中)が国に申請。国が原則6週間以内に審査する。
 すでに患者申出療養として前例があれば、原則2週間の審査で臨中ではない身近な医療機関でも医療を実施できる。
 制度開始後初となる患者申出療養は、病期が進み、先進医療の適格基準から外れた末期がんの患者に対する抗がん剤投与となった。
 正式な適応症は、「腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性の胃がん」。腹膜への胃がん転移に対し、腹腔にポートを留置し、抗がん剤の「パクリタキセル」の腹腔内投与と経静脈投与に加え、抗がん剤の「S -1」の内服を1コース21日間で実施する。医療技術として高度ではないが、有効性・安全性が十分に確認されていない。
 厚労省は先進医療の適格基準から外れた患者が初の事例となったことについて、「患者申出療養の典型としてイメージしていたもの」との見解を示した。東大病院は研究期間を1年とし、登録症例数は100例を予定する。
 費用は保険給付される部分が103万3千円(一部負担金は44万4千円)、保険給付されない部分が44万6千円(平均的な投与回数である24回の場合)となっている。厚労省は評価会議の了承を受け、10月中旬に患者申出療養で実施できる医療技術として告示を行う予定だ。

 

全日病ニュース2016年10月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 全日病ニュース・紙面PDF(2015年3月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2015/150301.pdf

    2015年4月1日 ... 炎患者が入院した場合、肺炎そのも. のは治癒したが、安静が ...... 胸腔ドレーン管理
    関連. 低圧胸腔内持続吸引器の設定及び設定の変更、胸腔ドレ. ーンの抜去. 腹腔
    ドレーン管理関連 ... 滴中の降圧剤投与量調整、持続点滴中の糖質輸液又は電. 解質
    輸液 ... 投与関連. 抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイ ... 入院時
    食事代引上、大病院受診時定額負担、患者申出療養は16年4月施行. 2月20日 ...

  • [2] (その1)(厚生労働省保険局医療課:H28.3.31)

    http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2016/160331_6.pdf

    2016年3月31日 ... ついて、「腹壁を切開し腹腔・骨盤腔内の臓器に達する方法(腹. 膜を切開せず ...... 問
    132)区分番号「F200」薬剤料の注2(向精神薬多剤投与の場合の. 100分の80 ....
    リテーション料、区分番号「H007-2」がん患者リハビリテ. ーション料の ..... 答)患者
    申出療養に係る自己負担額において、診療報酬点数表の例によら. ない部分 ...

  • [3] 全日病ニュース・紙面PDF(2016年4月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2016/160401.pdf

    2016年4月1日 ... また、在宅医療を専門に行う医療機. 関に対する評価を新設した。在宅患者. の割合が
    95%以上、要介護3以上の患. 者と重症患者を ... 療養病棟入院基本料2の施設基準を.
    見直し、医療区分2 ... 制度化される患者申出療養および費用 ... 阻害薬については、
    何と1年間投与す ..... 開腹手術では5日間、胸腔鏡・腹腔鏡では3日間、.

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