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「病院情報の公表」と今後の検討方針を了承

【DPC分科会】
ICD-10（2013年版）への対応は再検討

　中医協の診療報酬調査専門組織・DPC 評価分科会（小山信彌分科会長）は９月12日、機能評価係数Ⅱ・保険診療指数における「病院情報の公表」の対応や次期診療報酬改定に向けた検討方針を大筋で了承した。診断群分類を国際統計分類ICD-10（2013年版）に合わせることについて、医療機関のシステム的な準備に懸念が出たため、再度整理して検討することになった。
　「病院情報の公表」は、DPC 対象病院が10月１日時点でホームページ上に７項目の集計を公表し、保険診療指数で加点できる。集計方法を記載した事務連絡が出たのが８月10日であり、時間的余裕がないことに苦言を呈する意見があったが、厚労省は予定通り10月１日の公表を「原則」にすると説明した。
　やむを得ない事情で10月１日時点に公表されていなくても、来年４月からの加点を認める場合もあるが、集計自体を行っていない場合やホームページがない場合などは認められない。公表情報の適切性を精査することについての方針は、明確にはされていない。
　2017年度以降に必要に応じた見直しを行うことになっている。
　2018年度診療報酬改定に向けての検討方針では、今年10月からDPC 制度の基本的な考え方に関する議論を始め、来年４月から個別課題の検討に入る。
　来年12月には分科会としてDPC 改革案をまとめ、中医協総会と基本問題小委員会に報告する予定だ。DPC 制度の基本的な考え方をめぐっては、廃止を予定する調整係数をどう位置づけ、基礎係数や機能評価係数に配分するかが大きな課題となる。個別の課題については、委員から「予定を前倒しして議論できるものは、早めに検討すべき」との意見が出た。具体的には、「病院情報の公表」「CCP マトリックス」「ICD-10（2013年度版）への対応」があがった。
　ICD-10は国際的な疾病分類で、DPC制度の診断群分類でも傷病名等をそれに合わせる必要がある。ICD-10に基づく疾病分類は2016年度から国の統計などで施行されているが、DPC 制度においては標準病名マスターが未整備であったため、2016年度改定での対応は見送った。このため2018年度改定での対応が求められている。
　厚労省は同日の分科会で、今後の対応について案を示した。それによると、厚労省が各DPC 対象病院の今年10月から来年３月までのデータをICD-10（2013年度版）にコーディングし直し、その上で特別調査を行い、コーディングの妥当性について確認を求める。
　2017年度以降は各DPC 対象病院がコーディングを行うが、2017年４月から2018年３月までは、従来の疾病分類と2013年版の両方のコーディングを行う。
　しかし厚労省案に対しては、委員から技術的な問題を指摘する意見が相次いだ。特に、DPC 対象病院が従来の疾病分類と2013年版の両者をコーディングする上で、システム的な懸念が残るとされたため、再度検討することとなった。