全日病ニュース

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病院機能評価受審による「気付き」

病院機能評価受審による「気付き」

医療法人社団翔嶺館 札幌優翔館病院 院長 北川真吾

 受審支援モデルとして選定され、2回目の投稿です。今回は、「気付き」についての内容になります。
 受審支援モデルの選定連絡を受けた後、全日本病院協会のアドバイザーの皆様方とオンラインによるキックオフミーティングを行うこととなりました。キックオフミーティング前に「病院概要」の提出を求められました。提出を求められてハッとしましたが、「これが当院の概要です」と胸を張って出せるものがないことに気が付きました。
 当院のホームページやパンフレットに記載していることは、どれも断片的であり、まとまりには欠けているものでした。早速、事務部にて概要を作成し、提出いたしました。しかし、キックオフミーティングの際にアドバイザーの先生から、どこにある病院で何を目的としているのか分からないというお言葉をいただき、これまたハッとしました。病院概要は、当院がどこにあって、どんな医療を提供していて、何を目標としているのかをアピールすべきところでしたが、ありきたりな病床数などの内容で作成しておりました。反省することしきりです。
 次にご指示いただいたことは、現況調査表と自己評価票の作成でした。ご指示をいただいた時点では、とにかく期日までに作成するということだけを考えていましたが、振り返って考えると病院機能評価を受審していく上で大事な一歩であったと思います。「病院機能評価の認定を取得すること」イコール「規程やマニュアルの整備」と捉えていたところがあり、さらに言うなれば認定を取得するための魔法のようなオールマイティな規程やマニュアルが存在するはずだと考えていたからです。
 自己評価については、コロナ禍ということもあり全体で集まって作成するというスタイルではなく、部門ごとに検討し記載してもらいました。部門ごとに記載した内容を当院幹部会で集約し、全日本病院協会へ提出しました。集約段階で、例えば「診療録開示マニュアルは、患者・家族・職員への周知が十分ではない」という部門からの記載があり、全職員へ情報が行き渡っていないことが判明しました。すなわち、これも規程やマニュアルがあるというだけでは機能していないということの気付きになりました。
 提出後、全日本病院協会のアドバイザーの先生から自己評価に関してたくさんのコメントをいただきました。その中には、院内集約した段階で課題と感じている点として取り上げた内容ではなく、別の視点から考えるべきだというアドバイスもありました。これも、我々だけでは気づくことのできないところでした。また、アドバイザーの先生からは厳しいコメントだけではなく、一部については良い評価をいただきました。良い評価をいただくと、自分たちが日々行ってきたことが認められたという気持ちになり単純に嬉しく思いました。
 病院機能評価の認定を取得するには、形(規程、マニュアル)を整えることはもちろん必要ですが、それを整備するだけではなく、その中で我々職員がどのように理解しどのように実践するかが重要であるということを理解しました。ファーストステップとしてご指示いただいた現況調査表と自己評価票の作成は、現状の認識と我々に不足していることを明示してくれるツールであるということも理解いたしました。現状を認識し、不足しているところを確認し、その改善策を考え、実践していく…この繰り返しが病院機能評価の認定取得に必要なことであると気が付きました。
 全日本病院協会のアドバイザーの先生には、我々が作成した拙い自己評価票の内容を1つ1つ確認いただき真摯に向き合ってコメントをいただいたと心より感謝申し上げます。

 

全日病ニュース2022年7月1日号 HTML版

 

 

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