全日病ニュース

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「話し合いで、地域に不足する、必要なものを事業提案すべき」

「話し合いで、地域に不足する、必要なものを事業提案すべき」

【全日病第2回 「経営セミナー」】
佐々木室長 病院団体の“周旋”に期待。西澤会長 各支部に事業案提案を呼びかける

 全日病は5月18日に第2回「経営セミナー」を開催。厚労省医政局指導課医師確保等地域医療対策室の佐々木昌弘室長が医療法等改正案の全体像と新基金について講演。続いて西澤寛俊会長が、病床機能報告制度を中心に、当面する焦眉の問題と対応すべき課題を解き明かすとともに、病院のとるべき策を論じた。(6面に講演要旨)新基金について、佐々木室長は「(それを必要とする)地域の事情が適正であることが、個々の医療機関に投入される前提条件だ」と述べ、それだけに「地域の医療関係者による話し合いが大切」で、それをまとめていく「病院団体の役割が重要になる」と指摘した。
 西澤会長は、病床機能報告制度の意味するところを詳しく説明した上で、将来の機能別必要量を超える場合でも「すでにある病棟に機能の転換を求めることはない」と説明する一方、「しかし、例えばオーバーしたらいずれかの病院はやっていけない。県による指導とは別に、我々が自主的主体的に対応していくことが大切だ」と述べ、医療提供体制改革に初めて“協議の場”が設けられた意義を指摘した。
 また、新基金に関しては「地域の病院団体が一体となって都道府県と話し合うことが必要」と述べ、支部を軸に結束して動くこと、そして、6月の厚労省による都道府県ヒアリングの前までに、事業案を提案していかなければならない」と、支部と会員病院の取り組みを促した。
 福岡、兵庫、愛知など各地からかけつけた参加者からは、新基金をめぐる地元の動きなど、具体的な実情を踏まえた質問が多く出た。「県からは何も言ってこない」「県の病院協会から情報は来ている」など、病院団体と県との距離間によって新基金への対応が分かれる現実が浮かび上がった。