全日病ニュース

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地域包括ケア 救急・在宅等支援病床初期加算は転棟の場合も算定できる

地域包括ケア
救急・在宅等支援病床初期加算は転棟の場合も算定できる

ADL維持向上等体制加算算定終了後であれば専従者も疾患別リハの担当は可能

2014年度診療報酬改定Q&Aの抄録
2014年度診療報酬改定については、すでに、厚労省保険局医療課による疑義解釈が「その6」まで出ている。会員病院の質問を受け、全日病が独自に医療課にたずねた質問も3回を重ねており、すべて回答が出そろった。そこで、疑義解釈と全日病に対する回答から、重要と思われる項目を抽出してみた。
*全日病による質問に対する厚労省の回答はHPに掲載してあります。

各質問回答の末尾は当該質問の出典を意味する。
各出典の正確な資料名は以下のとおり。
「Q&A集改定」=全日病 「平成26年度診療報酬改定説明会(3月12日)」 のQ&A集改定
「Q&A集」=全日病「平成26年度診療報酬改定の全体像を考える」Q&A集(5月20日)
「疑義照会」=全日病「疑義照会(5月8日)」
「疑義解釈」=厚労省保険局医療課「疑義解釈資料」(1~6)

地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)

Q1 同一医療機関の異なる病棟において、地域包括ケア病棟入院料と地域包括ケア入院医療管理料は同時に届出することは可能か。可能な場合は、一方は地域包括ケア病棟入院料1、もう一方は地域包括ケア入院医療管理料2など、異なる施設要件の混在は可能か。
A 異なる病棟において、それぞれ施設基準を満たしている場合は、届出可能。異なる施設要件の混在も可能。※一般病棟の中にある地域包括ケア入院医療管理料を届け出ている病室から、地域包括ケア病棟入院料を届け出ている病棟へ転棟した場合、救急・在宅等支援病床初期加算を算定できない。(「Q&A集改定」46)

Q2 A308-3地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)の「注5」に規定する救急・在宅等支援病床初期加算の算定は、同一医療機関内の地域包括ケア入院医療管理料算定する病室を持たない一般病棟から、別の一般病棟内にある地域包括ケア入院医療管理料を算定する病室へ移動(転棟)した場合は算定可能であると解釈するが如何。
A 算定可能(「疑義照会」1)

Q3 在宅復帰率の経過措置について、「平成26年3月31日時点で7対1入院基本料の届け出を行っている病棟については平成27年度3月31日までの間、当該割合に係る実績を満たしているものとする」とあるが、経過措置は26年9月30日までなのか。
A 平成26年3月28日付け事務連絡において、経過措置の期間は、「平成26年3月31日時点で7対1および10対1の届出を行っている医療機関は、平成26年9月30日までの間、当該割合に係る実績を満たしているものとする」と訂正されていることから、経過措置期間は平成26年9月30日までとなる。(「Q&A集」問7)

Q4 地域包括ケア病棟入院料の施設基準において、「リハビリテーションを提供する患者については、1日平均2単位以上実施すること」とされているが、土・日・祝祭日も対象となるのか。
A 対象となる。(「疑義解釈2」問27)

Q5 専従の理学療法士等は入院医療管理料の場合、7対1、10対1のADL維持向上体制加算と兼ねても良いか。
A その通り。(「Q&A集改定」15)

Q6 救急・在宅等支援病床初期加算は、同一病棟内にある一般病床から地域包括ケア入院医療管理料の対象となる病床に転床した場合も算定可能か。
A 転床は算定できない。(「Q&A集改定」18)

Q7 入院料(入院医療管理料含む)2の1人当たりの居室面積は、4.3m2以上と考えて良いのか。
A その通り。但し、内法による測定であること。なお、平成27年3月31日までの間は、床面積について、壁芯による測定で届け出ることができるものとし、平成27年4月1日以降も有効なものとして取扱う。(「Q&A集改定」13)

短期滞在手術等基本料3

Q8 特定入院料や療養病棟入院基本料等を算定する病棟においても、該当する手術等を行い4泊5日以内の入院の場 合は、当該基本料を算定するのか。
A 診療所を除く保険医療機関で当該 手術を行った場合は、当該基本料を算 定する。(「Q&A集改定」10)

データ提出加算

Q9 7対1入院基本料および地域包括ケア病棟入院料等については、平成27年4月1日以降は必須となるが、それ以 外の病棟については、加算の届出対象と解釈して良いか。
A 当該加算は、病棟単位で届け出るものではなく、病院単位で届け出るものであり、データ提出加算を届出後は、病院の全病棟からDPCデータを提出す る必要がある。(「Q&A集改定」44)

ADL維持向上等体制加算

Q10 ADL維持向上等体制加算において、病棟専従の常勤理学療法士等は疾患別リハビリテーション等を担当する 専従者との兼務はできないのか。
A できない。ただし、ADL維持向上等体制加算の算定を終了した当該病棟の患者に対し、引き続き疾患別リハビ リテーション等を提供する場合については差し支えない。なお、理学療法士等が提供できる疾患別リハビリテーション等は1日6単位(2時間)までとする。また、当該病棟専従の常勤理学療法士等は、疾患別リハビリテーション料等の専従の理学療法士等として届け出ることはできない。(「疑義解釈3」問2)

在宅復帰機能強化加算

Q11 在宅復帰機能強化加算の施設基準において、「在宅に退院した患者の退院後1月以内(医療区分3の患者につい ては14日以内)に、当該保険医療機関の職員が当該患者の居宅を訪問することにより、(略)当該患者の在宅における生活が1月以上(退院時に医療区分3である場合にあっては14日以上)継続する見込みであることを確認」することとなっているが、当該保険医療機関が当該患者に対して外来診療を行う際に、在宅における生活が継続する見込みであることを確認した場合は、当該患者の居宅を訪問する必要はないか。
A 他の医療機関や介護老人保健施設に入院・入所していない等、外来診療時に、患者本人や同行した家族からの聞き取り等によって、当該患者が在宅における生活が継続する見込みであることを確認ができる場合は、必ずしも当該患者の居宅を訪問する必要はない。なお、この場合において、在宅から通院していることを確認できた理由を診療録等に記録すること。(「疑義解釈5」問1)

救急医療管理加算

Q12 緊急に入院が必要であると認めた患者のうち、入院後に悪化の可能性が存在する患者については、救急医療 管理加算2の対象患者である「その他「ア」から「ケ」に準ずるような重篤な患者」に該当するのか。
A 該当しない。当該加算は入院時に重篤な状態の患者に対して算定するものであり、入院後に悪化の可能性が存在する患者については対象とならない。 (「疑義解釈1」問27)

夜間休日救急搬送医学管理料

Q13 精神科疾患患者等受入加算の「イ過去6月以内に精神科受診の既往がある患者」とあるが、6月とは暦月でよいか。また、精神科受診であれば病名は問わないか。
A 暦月でよい。(「疑義解釈4」問12)

医師事務作業補助体制加算

Q14 施設基準に示される「医師事務作業補助体制加算1を算定する場合は、医師事務作業補助者の延べ勤務時間数の8割以上の時間において、医師事務作業補助の業務が病棟又は外来において行われていること。」について、① 医師事務作業補助者一人一人が80%以上である必要があるか。②放射線科や病理科などにおいて、入院医療や外来医療を行ってはいないものの、医師の直接の指示下で医師事務作業補助業務を行っている場合は、病棟又は外来での勤務時間数に含まれるか。
A ①そのとおり。②医師からの直接の指示下で医師事務作業補助業務を行っている場合は、病棟又は外来での勤務時間数に含まれているとみなして差し支えない。(「疑義解釈2」問19)

地域包括診療料(地域包括診療加算)

Q15 地域包括診療料は初診時には算定できないが、初診を行った日と同一月内に再度受診があった場合、当該月より算定可能か。
A 可能である。(「疑義解釈2」問1)

Q16  月初めに地域包括診療料を算定後、急性増悪した場合等に、月初めに遡って地域包括診療料の算定を取り消し、出来高算定に戻すことは可能か。
A 可能である。(「疑義解釈1」問5)

Q17 地域包括診療料又は地域包括診療加算を算定している保険医療機関におけるすべての患者が、7剤投与の減算規定の対象外となるのか。
A 地域包括診療料を算定している月、又は、地域包括診療加算を算定している日に限り、当該点数を算定する患者に対して適用される。(「疑義解釈1」問8)

Q18 地域包括診療加算を算定する患者が、対象疾病以外で受診した場合でも算定できるか。
A 他の疾患の受診時に、当該点数の対象疾患についての管理も行い、他の要件をすべて満たしていれば算定可能である。(「疑義解釈2」問3)

在宅患者訪問診療料

Q19 在宅患者訪問診療料2を算定する場合に記載する「別紙様式14」について、「診療報酬明細書に添付する、又は別紙様式14のとおりの内容が記載された症状詳記を添付すること。」とあるが、平成26年4月診療分から添付することとなるのか。
A 在宅患者訪問診療料2を算定する場合に記載する「別紙様式14」については、「疑義解釈資料の送付について(その4)」(平成26年4月23日付事務連絡)において、①診療報酬明細書の症状詳記に記載することで電子請求を行うことが可能であること、②当該医療機関で用いている訪問診療計画等の様式が「別紙様式14」の内容を全て含んでいる場合は、当該訪問診療計画等をコピーして紙で、診療報酬明細書に添付することが可能であること等を示したところである。「別紙様式14」については、本来は平成26年4月診療分から添付するものであるが、電子請求を行うための準備期間等を考慮し、平成26年9月診療分までは添付を省略してもやむを得ないものである。(「疑義解釈6」問1)

Q20 C001 在宅患者訪問診療料について、留意事項の(10)の①にある同意書を作成するのは4月以降の新規の患者のみでよいか。
A 訪問診療を行う患者すべてについて同意書が必要である。ただし、平成26年3月以前に訪問診療を始めた場合であって、訪問診療開始時に同意を得た旨が診療録に記載してある場合には、必ずしも新たに同意書を作成する必要はない。(「疑義解釈5」問3)

DPC 退院時処方について

Q21 退院時処方は、「退院後に在宅において使用するために薬剤を退院時に処方すること」とあるが、転院先で使用 するために薬剤を処方する場合も退院時処方として医科点数表に基づき算定することができるのか。
A 算定することができない。(「疑義解 釈1」DPC 問10-2)

DPC 7日以内の再入院について

Q22 「一連」の入院とみなす7日以内の再入院では、ICD10コードが異なっていても、診断群分類番号上2桁が同一であれば、「一連」とみなすのか。
A そのとおり。(「疑義解釈1」DPC問9-3)