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「日本版NIH」2法が成立。3省研究事業の一部を一元化

「日本版NIH」2法が成立。3省研究事業の一部を一元化

 文科省、厚労省、経産省に分かれている医療分野の研究開発事業に司令塔をおいて一元管理する「日本版NIH」構想の法律が、5月23日の参院本会議で成立した。可決されたのは「健康・医療戦略推進法」と「独立行政法人日本医療研究開発機構法」の2法。施行は公布日、一部は公布から3ヵ月以内の政令で定める日となる。
 「健康・医療戦略推進法」は
(1)内閣総理大臣を本部長とし、全閣僚を構成員とする健康・医療戦略推進本部を内閣に置く
(2)推進本部は医療分野の研究開発と健康長寿産業の創出・活性化等に関する健康・医療戦略を策定、閣議決定する
(3)推進本部は健康・医療戦略に即した医療分野研究開発の具体的推進計画を決定する
(4)推進計画は日本医療研究開発機構が医療分野の研究開発等の実施・助成で中核的役割を担うよう作成する
というもの。
 「独立行政法人日本医療研究開発機構法」は、医療分野の研究開発とその環境整備にかかわる実施・助成等を目的として設立するとし、その業務の範囲等を定めている。その中で、「理事長の任命と中期目標の策定等に当たっては健康・医療戦略推進本部の意見を聴くものとする」と、推進本部の関与がうたわれた。
 機構の設立は2015年4月1日が予定されている。
 「日本版NIH」構想に関しては、当初は、文科省、厚労省、経産省が所管する研究開発事業(予算)のすべてが一元管理されるとみられたが、結果的に、それらの一部、年間にして約1,200億円(14年度予算ベース)が委譲されるにとどまった。したがって、3省はこれまでと同様に、各省予算として研究開発事業を要求することになる。