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勤務間インターバルの導入が必要との意見相次ぐ

勤務間インターバルの導入が必要との意見相次ぐ

【厚労省・医師の働き方改革検討会】6時間以上の睡眠確保が必要

 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」(岩村正彦座長)は11月9日、医師の健康確保策を議題とした。6時間未満の睡眠が脳・心臓疾患、高ストレス・抑うつの原因になるとの研究結果を受け、委員から、◇連続勤務時間制限◇勤務間インターバル◇個別性の高い健康管理─を病院に導入すべきとの意見が相次いだ。女性医師を支援する方策も議論した。
 この日は、「医師の長時間労働と健康」について順天堂大学医学部の谷川武教授からヒアリングを行った。谷川教授は、「長期間にわたる1日4~6時間以下の睡眠は、脳・心臓疾患の有病率や死亡率を高める」と指摘。「労働時間の制限よりも、睡眠時間の確保が重要」と主張した。十分な睡眠のためには、連続勤務時間制限とインターバル規制を導入することや、当直時間帯での睡眠を確保することが必要とした。
 ただ、医療現場では、手術などを時間内に終えられず、制限時間を超えることも多いと考えられる。その場合は、振替休暇とセットで健康確保策を講じる措置を示した。
 睡眠不足対策としては、慢性睡眠不足や不眠症、睡眠時無呼吸症候群であるかなどを確認し、疑われる場合は検査をして判断。睡眠不足が明らかであれば、面談の上、就業制限をかける仕組みが求められるとした。
 高ストレス・抑うつも睡眠不足と関連する。精神疾患を予防するためには、同じ長時間労働であっても「やらされ感」の強い「ワーカホリズム」と内発的動機づけの強い「ワークエンゲイジメント」を区別することが、特に重要と指摘した。
 一方、厚労省は「現行法の産業保健等の取組みがしっかりと実施される」ことを前提とした上で、新たに①現行制度でできる取組みの徹底②新たな取組みを追加的に行う─ことを論点として示した。②については、具体的な取組みとして、◇連続勤務時間制限◇勤務間インターバル確保◇個別性の高い健康管理─をあげた。
 委員からは、「睡眠時間確保のため、原則実施すべき取組みを設ける必要がある。ただ、(取組みが実施できない)例外的な状況にも対応しなければならない」、「連続勤務時間制限とインターバル規制は、時間外労働時間規制と同じくらい重要だ」、「救急医療に従事する立場からいうと、今の状況で、連続勤務時間制限とインターバル規制の導入は厳しい」などの意見が出た。

女性医師の支援策を議論
 女性医師の支援策も議論された。厚労省は、◇院内保育・病児保育の整備◇専門研修で出産や育児の休暇が取得できるカリキュラム制の整備◇研修病院が女性医師の勤務環境改善の取組み状況を「見える化」◇入院診療でのICTの活用◇男性医師の育休取得率の改善─を課題にあげた。委員からは、特に病児保育に関し、病院単独で整備するのは難しいため、複数の病院と共同で整備する仕組みを求めた。
 医師の勤務負担軽減策では、◇タスク・シフティング、タスク・シェアリング◇国民の医療のかかり方◇地域医療提供体制の機能分化・連携により、医師の労働時間を減らす方針も示されている。医師に対する時間外労働規制が適用される2024年4月までに、これらを推進することで、医師の労働時間を減らし、規制が地域医療に与える影響を少なくすることを目指す。
 同日の議論では、医師の労働時間のうち、手術の時間を減らすことはできないが、外来や病棟、ICUで働く時間を減らすことができるとの論点が示された。特に、病棟やICUの管理を任せることのできる看護師の人材養成の仕組みが必要との意見が複数の委員から出された。

 

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