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外国人患者を受け入れる医療機関を都道府県が選定

外国人患者を受け入れる医療機関を都道府県が選定

【厚労省・訪日外国人旅行者等医療提供検討会】厚労省が結果をまとめ公表

 厚生労働省の「訪日外国人旅行者等に対する医療の提供に関する検討会」(遠藤弘良座長)は11月14日、都道府県が外国人患者を受け入れる医療機関を選定し、公表する仕組みを設けることで合意した。医療機関は「重症例を受入可能な医療機関」と「軽症例を受入可能な医療機関」に分ける。選定する医療機関の数は、訪日・在留外国人の数などが地域により異なるため、基本的には、都道府県の判断とする。選定された医療機関は厚労省がまとめて、わかりやすい形で公表する。
 外国人患者を受け入れる医療機関については、認証制度を含め、これまで関係省庁や団体が個別に選定し、公表してきた。しかし、情報が一元化されておらず、わかりづらいとの指摘が少なくなかった。取組み姿勢にも差があり、政府が観光先進国の実現を目指す中で、医療機関や自治体だけでなく、外国人患者、観光・宿泊事業者、地域の住民にもわかりやすい形で、情報提供する仕組みを作ることにした。
 具体的には、都道府県が「外国人患者の受入拠点となる医療機関」を選定し、厚労省に報告する。病院、医科・歯科診療所が対象になる。選定する医療機関数は都道府県の判断となるが、厚労省は今年6月の都道府県衛生部長会議で、「都道府県ごとに重症例を受入れ可能な医療機関を一カ所以上選定」、「外国人観光客が多い二次医療圏では、軽症例の受入れ可能な医療機関を選定」するとの考えを示している。
 選定される医療機関の基準案では、都道府県単位の「重症例を受入可能な医療機関」の場合、医療計画における二次以上の救急医療機関としている。二次医療圏単位の「軽症例を受入可能な医療機関」の場合、選定を求める医療圏は、①ラグビーW杯またはオリンピック・パラリンピックの開催地を含む医療圏②訪日外国人観光客の多い医療圏③在留外国人の多い医療圏④その他、都道府県が指定する医療圏─としている。
 都道府県が選定した医療機関は、厚労省がまとめ、各医療機関の体制や認証を取得情報などもあわせて提供する。例えば、日本医療教育財団の外国人患者受入医療機関認証制度(JMIP)は、在留・訪日外国人に安心・安全な医療を提供するための環境を整備した医療機関を認証している(現在48医療機関)、メディカル・エクセレンス・ジャパン(MEJ)は、医療ビザで日本の医療を受けることを目的に来日する外国人患者に向けた医療機関を推奨している(現在45医療機関)。
 また、観光庁は1,255医療機関を日本政府観光局のホームページを通して情報発信しているほか、厚労省は111病院に対して、「外国人患者受入れ環境整備推進事業」により、医療通訳者・コーディネーターの配置や、院内体制整備を行っている医療機関に財政支援を行っている。
 同日の議論では、委員から都道府県の選定を受けることのインセンティブを設ける必要があるとの意見が相次いだ。これに関し、厚労省は「外国人患者受入れ環境整備推進事業」などに参加することによる財政支援がインセンティブになるとの考えを示し、来年度予算案の概算要求にも盛り込んでいる。

年度内に6項目の課題を検討
 同検討会は同日が初会合。座長には、遠藤弘良・聖路加国際大学大学院公衆衛生学研究科長が互選された。
 厚労省は同検討会の検討項目として、①医療機関の整備方針②医療機関向けマニュアル、都道府県向けマニュアル③自由診療における診療価格④医療通訳者の養成・確保・配置⑤医療通訳・ICTの役割分担⑥医療コーディネーターを提示。年度内に結論を出すことを求めた。健康・医療戦略推進本部がまとめた総合対策のうち、厚労省で検討する必要のある事項を同検討会で議論することになっている。
 日本医療法人協会副会長の小森直之委員は、「働き方改革の推進などで、医療現場は日本人だけで手一杯になっている。日本人よりも手間がかかる外国人が増えることは、中小病院にとって、負担が大きい」と配慮を求めた。また、「二次救急を受けて、三次救急に送ると、費用の回収が遅れる問題がある。カード決済も現金中心の中小病院にとっては、経営を揺るがす問題になり得る」と費用徴収における課題も指摘した。

 

全日病ニュース2018年12月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 外国人患者受入れ環境整備にかかる政府の取り組みについて

    https://www.ajha.or.jp/hms/tsuuyaku/pdf/180809_8.pdf

    2018年8月9日 ... ... た訪日外国人、および、在留外国人・訪日外国人を受. け入れる医療機関における
    医療体制の整備を支援. ラグビーW杯 .... 受入可能な医療機関の数や医療設備に関して、
    30都道府県(75%)は把握しておらず、10都道府県(25%)は拡充が.

  • [2] 次 第

    https://www.ajha.or.jp/hms/tsuuyaku/pdf/180809_12.pdf

    2018年8月9日 ... 平成29年厚生労働省「医療機関における外国人旅行者及び在留外国人受入れ体制等
    の実態調査 結果報告書」 ...... ラグビーW杯. 調査. 実施. 医療機関・自治体. 向けの.
    マニュアル作成1). 実態調査. モデル事業. (5都道府県2)のみ).

  • [3] 事 務 連 絡 平成 30 年 11 月 22 日 公益社団法人全日本病院協会 御中 ...

    https://www.ajha.or.jp/topics/jimukyoku/pdf/181126_2.pdf

    2018年11月22日 ... 医療法人. ○医療法第7条の2に規定する開設者. 【自治体】. 都道府県、市町村、地方
    独立行政法人. 【旧社会保険関係 ...... 人と過去最高となっており、さらに今後、2019年
    ラグビーワールドカップ、2020年は東京オリンピック・パラリンピッ.

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