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在宅医療の充実に向けて議論を整理

在宅医療の充実に向けて議論を整理

【厚労省・在宅医療及び医療・介護連携WG】都道府県が市町村を支援

 厚生労働省の在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ(WG、田中滋座長)は11月12日、在宅医療の充実に向けた議論の整理を了承した。在宅医療の需要増が想定される中で、地域で在宅医療を受けられる体制整備に向け、都道府県が市町村を支援する取組みや住民への普及・啓発の方針などをまとめた。年内に都道府県に通知する予定だ。
 在宅医療のニーズがあっても、在宅医療を受けられる体制がなく、ニーズが満たせない地域がある。今後は、高齢化で在宅医療の需要はさらに増大し、医療機能の分化・連携が進めば、医療の必要性が低い患者が病院から在宅に移行する追加的な需要増も生じる(30万人程度を想定)。
 都道府県は、在宅医療提供体制の目標を含め、医療計画を策定している。6年計画の第7次医療計画が今年度から始まったが、在宅医療提供体制については、診療報酬・介護報酬同時改定があったことに加え、介護医療院が創設され、需要を正確に見込むことが難しかった。このため、定量的で具体的な目標は、2020年度の中間見直しに盛り込むことを考えている都道府県も少なくない。
 議論の整理は、このような状況を踏まえ、中間見直しの2020年度を念頭に、現状を把握し、速やかな対策が必要な事項については、すぐに実施されるよう、都道府県が市町村を支援する取組みなどをまとめたものとなっている。その際に、介護保険事業計画との整合性を図る必要のある事項も記載し、確認を求めている。

中間見直しで数値目標の設定求める

 都道府県に求める事項としては、6項目を設けた。①第7次医療計画の改善②都道府県全体の体制整備③取組み状況の見える化(データ分析)④各種ルールの整備⑤人材の確保・育成⑥住民への普及・啓発─である。
 第7次医療計画の改善では、今年度から始まった医療計画に、定量的な目標を盛り込まなかった府県があるため、中間見直しでは、訪問診療を実施する診療所・病院数の数値目標などを設けることを要請している。都道府県の体制整備では、本庁の医療政策部局と介護保険担当部局の連携と役割分担の明確化が必要とした。市町村が実施する在宅医療・看護連携推進事業を推進する上で、都道府県の支援が重要であることも強調している。
 データ分析は、都道府県・二次医療圏単位だけでは不十分であり、市町村単位のデータを集める必要性を指摘し、KDB(国保データベース)の活用を促した。各種ルールは、◇入退院支援ルールの策定◇後方支援病院等との連携ルールの策定◇急変時の患者情報共有ルールの策定が課題となっている。在宅医療圏ごとに、これらのルールを決めることを都道府県が支援することを明記した。
 人材の確保・育成では、国が実施する在宅医療講師人材養成事業の修了者や地域医療総合確保基金を活用した研修の実施を促した。多職種連携に関する会議の開催による課題の共有にも触れた。住民への普及・啓発では、特にACP(アドバンス・ケア・プランニング)を例示し、人生の最終段階の医療・ケアの意思決定支援に関する普及・啓発を住民に行うことを求めた。
 全日病副会長の織田正道委員は、「多くの人が中小病院を含めたかかりつけ医を持つことが、患者が望む人生最終段階の医療・ケアを受けられる体制づくりに重要となる。そうすれば、急変時の対応と看取りが整理され、在宅医療における日常の療養支援から看取りへの移行が自然に行われるようになるだろう」と、かかりつけ医の意義を強調した。

 

全日病ニュース2018年12月1日号 HTML版

 

 

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