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地域医療支援病院の要件見直しの議論を開始

地域医療支援病院の要件見直しの議論を開始

【厚労省・特定機能病院及び地域医療支援病院検討会】医師派遣機能の強化を目指す

 厚生労働省の「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」(遠藤久夫座長)は11月16日、地域医療支援病院の要件見直しの議論を開始した。医師偏在対策のため、医師派遣機能を強化した地域医療支援病院を位置づけることを目指す。ただ、同日の検討会では、公的病院による民間病院圧迫の議論も絡み、地域医療支援病院の抜本的な見直しを求める意見が出た。地域医療支援病院の実態を調査した上で、来年夏頃の取りまとめを予定する。
 地域医療支援病院は、患者に身近な地域で医療を提供することが望ましいとの観点から、①紹介患者に対する医療の提供(かかりつけ医等への患者の逆紹介も含む)②医療機器の共同利用の実施③救急医療の提供④地域の医療従事者に対する研修の実施─の4機能を満たす病院である。
 承認要件としては、◇紹介率80%以上または紹介率66%以上かつ逆紹介率41%以上または紹介率51%以上かつ逆紹介率71%以上◇原則200床以上◇救急医療の提供◇建物、設備、機器等を地域の医師等が利用できる体制を確保◇研修の実施─がある。
 1997年の医療法改正により創設され、今年9月現在で都道府県知事の承認を受けているのは、586病院。民間病院もあるが、多くは公立・公的病院である。診療報酬では、患者の入院初日に1,000点を加算できる「地域医療支援病院入院診療加算」がある。
 地域医療支援病院の状況を調べると、4つの機能における各病院のばらつきが大きいことがわかっている。また、委員からは、「特定の地域に地域医療支援病院が集中している」、「公的病院が多く、民間病院と競合している」、「全国一律の基準を設定することに違和感がある」、「4つの機能を1セットで持つことを要件化している意味を問い直すべき」といった指摘が出ている。
 同日の議論でも、「地域医療支援病院と診療所で医療を完結し、民間病院を圧迫している地域もある。地域医療構想におけるすべての公立・公的病院と同じく、その病院でなければ提供できない機能であるかを確認し、同じ地域の中小民間病院と競合している場合には、廃止を含め、その役割を見直す必要がある」との意見が出るなど、抜本的な見直しを求める意見があがった。

医師偏在対策として機能を見直し
 一方で、改正医療法・医師法が成立し、医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会の第2次中間取りまとめに沿って、検討を進めていく必要もある。第2次中間取りまとめでは、医師偏在対策として、地域医療支援病院に着目し、「医師派遣機能やプライマリ・ケアの研修・指導体制の確保などその環境整備に、一定の機能を果たすものを評価し、その役割、機能、評価のあり方等を含め、別途検討すべき」としている。
 さらに、医師少数区域で、地域医療に従事した医師を認定し、認定医師であることを一定の医療機関の管理者の要件とする制度も創設される。一定の医療機関として、地域医療支援病院が想定されており、その際に、医師派遣・環境整備機能を有する病院とそうでない病院を分けるなど、類型化することが課題となっている。
 これらを踏まえ、厚労省は、①かかりつけ医を支援する機能の見直し②医師少数区域等を支援する機能の追加─の2点を論点にあげた。その上で、年内に現状の地域医療支援病院を調査し、来年3月以降に議論を本格化し、来年夏に報告書をまとめる方針を示した。調査に関しては、「公立・公的病院と民間病院の競合状況」がわかる調査項目設定を要請する意見が出た。

医師少数区域を支援する機能を追加
 医師少数区域等を支援する機能の追加では、①医師派遣機能(代診医の派遣含む)②24時間の技術的助言機能③プライマリ・ケアの研修・指導機能─があがった。これらの機能を備える病院を地域医療支援病院の一類型に位置づけ、認定医師を管理者の要件とする考えだ。医師派遣といっても、様々な派遣の形があるので、機能強化の方策について幅広く検討する考えだ。
 厚労省は、かかりつけ医を支援する機能も重要事項にあげた。在宅医療を提供している医療機関と連携し、緊急入院を受け入れる体制の確保を要件とすることを提案している。
 厚労省は、地域医療支援病院の在宅医療の後方支援機能が不十分と指摘している。ただ、委員からは、「病院が後方支援する病診連携は、多くの地域でできている。むしろ、(地域包括ケアから高度急性期・急性期への)病病連携の方が課題だ」との意見が出た。
 地域医療構想調整会議の協議を踏まえ、地域ごとに独自の機能を要件として追加する案も示された。その際に、厚労省は、地域の医療需要や現状の病床稼働率を踏まえ、地域医療支援病院でなければ担えない分野に重点化されているかを確認する必要があるとしている。

 

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