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医療経済実態調査の実施案を了承

医療経済実態調査の実施案を了承

【中医協・調査実施小委員会】医療機関に比較可能な経営指標示す

 中医協の調査実施小委員会(野口晴子小委員長)は11月14日、次期診療報酬改定の重要資料となる医療経済実態調査の実施案を了承した。全国の病院や診療所などに、来年5月末に調査票を配布。7月末に回収後、集計を行い、来年11月中の中医協に報告できるよう作業を進める。
 調査対象時期は2019年3月末までに終了する直近2事業年(度)。抽出率は、病院が3分の1、特定機能病院・歯科大学病院・子ども病院はすべてを対象とする。
 有効回答率を上げる工夫では、回答結果を一般的な経営指標で、全体の結果と自院を比較できる「見える化」を行うことで、回答のインセンティブを高める。記入の負担軽減のため、電子調査票の利用も促進する。病院団体などへの協力依頼も引続き実施するとした。調査項目は、費用の中で消費税課税対象部分を詳しく把握できるよう見直す。

来年10月の薬価・材料改定で一致
 同日の薬価専門部会・保険医療材料専門部会は、来年10月の消費税引上げに伴う医薬品と保険医療材料の価格改定の時期について議論し、「実勢価格改定と消費税引上げ相当分の転嫁を同時に行うことが自然である」との認識で一致した。
 ただし、価格改定の時期は、今後の予算編成過程で決定する。財政健全化を目指した社会保障費の伸びを圧縮させる財源となるため、今後の動向が注目される。来年4月と10月、再来年4月と半年ごとに3回、価格改定が行われる可能性もまだ残っている。
 来年10月の価格改定は、「2020年4月には、通常の診療報酬改定が控えており、今回は、通常の価格改定とは異なる臨時的なもの」と位置づけている。薬価等の毎年改定が前倒しで実施されるようにもみえるが、毎年改定の仕組みは今後改めて議論するとの整理だ。
 このため、改定ルールの適用に当たっては、次のような対応を図る方針となった。◇消費税引上げ分の上乗せでは、2014年度の算定式に準じる◇適用する各算定ルールの対象品目等は、要件が外れることが明らかなものを除き、2018年度改定の状態を継続することを基本とする◇新薬創出・適応外薬解消等促進加算の加算は維持する。2018年度改定以降に後発医薬品が収載されるなどして、対象から外れた品目は、加算の対象としない─。
 来年度の対応は消費税引上げに伴う臨時的な対応であるため、限定的な対応とし、通常改定とは、ルールを切り分けた形だ。

 

全日病ニュース2018年12月1日号 HTML版

 

 

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