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医政局予算案は補正予算案と合わせ25％増

【厚労省・医療部会】2019年度は2,190億円

　厚生労働省は１月17日の社会保障審議会医療部会（永井良三部会長）で、2019年度医政局予算案を説明した。医政局予算案は、2018年度補正予算を合わせ、対前年度比489億円増の2,428億円。医政局は、各局予算に厳しい査定が行われる中で、医療が直面する課題に、財政当局が一定の理解を示し、25％増の予算額になったと報告した。
　2019年度医政局予算案は2,190億円で対前年度比13％ 増（251億円増）。2018年度第一次、第二次世補正予算案は238億円で、両者を合わせると、2,428億円であり、補正予算込みでの対前年度比は、25％増（489億円増）となる。
　第一次補正予算案は、被災した医療施設などの早期復旧の補助（94.4億円）である。一方、第二次補正予算では、「防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策」として、◇災害拠点病院等の耐震化等（43億円）◇広域災害・救急医療情報システム（ＥＭＩＳ）の機能拡充（2.8億円）◇有床診療所等におけるスプリンクラー等の設置（20億円）など、災害対策を中心としつつ、年度予算の性格に近い予算項目が並ぶ。
　2019年度予算案は、◇地域医療構想の推進◇医療分野の生産性向上と働き方改革◇医師偏在対策や救急・災害医療、医療の国際展開など医療提供体制の確保◇研究開発が主要施策となる。
　地域医療構想の推進の予算のほとんどは、地域医療介護総合確保基金で、今回、医療分・介護分それぞれで100億円の増額があり、医療分は公費1,033億円（国689億円、地方345億円）である。対象は、「地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設または設備の整備に関する事業」で公費570億円、それ以外の財源は、「居宅等における医療の提供に関する事業」と「医療従事者の確保に関する事業」に配分する。
　これに関して、委員から「未執行分が増えているときいている。もっと使い勝手をよくするため、対象事業を柔軟に考える必要があるのではないか」との要望が出た。これに対し厚労省は、基本的には、医療機能の分化・連携など地域医療構想の推進につながるための基金であり、それを踏まえた対象事業が決まるとの考えを改めて示した。
　地域医療構想の推進では新規事業でほかに、都道府県職員研修やアドバイザーの養成に８千万円、地域医療構想に関する病院長などへの研修費用で１千万円を計上している。
　医療分野の生産性向上と働き方改革に関しては、新規事業で、◇Tele-ICU体制整備促進事業（５億円）◇タスク・シフティング等勤務環境改善推進事業（４億円）◇医療機関の勤務環境マネジメント向上支援（５千万円）などがある。
　医師偏在対策や救急・災害医療、医療の国際展開など医療提供体制の確保に関しては、新規事業で、◇医師少数区域等で勤務した医師の認定制度創設等に伴う対応（５千万円）◇地域医療構想・医師偏在対策推進支援事業（８千万円）などがある。
　また、「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」（尾形裕也座長）で行われている医療情報提供制度の報告項目見直しの検討状況が報告された。新たな項目の一つに、医療被ばく線量の管理がある。「線量表示機能を有する対象医療機器の有無や台数」を報告項目に追加する方向となっている。