全日病ニュース
新型コロナの病床確保料を減額しない判断を可能に
新型コロナの病床確保料を減額しない判断を可能に
【厚労省】緊急包括支援金の取扱い事務連絡を見直し
厚生労働省は11月21日、「令和4年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)の実施に当たっての取扱い」を事務連絡した。9月22日の取扱い事務連絡を見直したもので、都道府県知事の判断により、特段の事情がある医療機関に対しては、病床確保料の調整を行わないことができるようになった。また、特例的な病床確保料の支給でも配慮があった。
9月22日の取扱い事務連絡では、10月1日から、一定の要件に該当した場合に、新型コロナ緊急包括支援交付金による病床確保料を調整する措置が示されていた。具体的には、即応病床使用率が50%未満で、かつ病床確保料を受ける医療機関の収入額(診療収入額と病床確保料の合計額)が新型コロナ流行前の診療報酬収入額の1.1倍を超える場合に、1.1倍を超える分の病床確保料が調整される減額措置となっていた。
今回の見直しでは、病床確保料を調整する措置について、都道府県知事の判断により病床確保料を調整しない対象を以下のように整理した。都道府県には、該当する医療機関について、厚労省に相談することを求めている。
◇周産期、小児、透析、精神の4診療科
◇地域のコロナ病床確保に中核的な役割を果たす基幹的医療機関、構造上の事情により病棟単位でコロナ病床を確保・運用する医療機関、都道府県知事がそれらに類する特段の事情があると認める医療機関
◇2022年10月1 日から2023年3 月31日までの即応病床使用率が 50%以上の医療機関
9月22日の取扱い事務連絡から、新たに2つの場合が加わった。特に、「都道府県知事がそれらに類する特段の事情があると認める医療機関」という項目が加わったことで、柔軟な取扱いが可能となった。
即応病床使用率の算定にあたっては、感染拡大期において、都道府県がフェーズを引き上げた際に、即応化してから最大2週間に限り、新たに即応化された即応病床について、算定対象から除外できることとしている。
また、周囲にコロナ入院受入医療機関が乏しい医療機関については、医療機関の収入額が、1.2倍を超えた場合に限り、調整対象となる。
調整においては、2019年1月1日から2019年12月31日を新型コロナ流行前の診療収益の期間とし、2022年1月1日から2022年12月31日までの診療収益と比べる。2019年の診療収益が、休診などの特別な事情により例年よりも低い水準の診療収益となっている場合には一定の配慮が講じられる。
また、診療報酬収入額が新型コロナ流行前の診療収入額の1.2倍を超えていても、特例的に3%を上限に病床確保料を支給する措置が講じられる。9月22日の取扱い事務連絡では、1.1倍を超える場合の特例措置であった。
なお、9月22日の取扱い事務連絡と同様に、協力医療機関の病床確保料は2022年9月30日で終了した。
全日病ニュース2022年12月1日号 HTML版
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