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ホーム全日病ニュース(2022年)第1022回/2022年12月1日号医療安全管理体制相互評価の意義と院内体制構築

医療安全管理体制相互評価の意義と院内体制構築

医療安全管理体制相互評価の意義と院内体制構築

【静岡学会・医療の質向上委員会・医療安全担当委員会合同企画】―厚労科研費研究の初年度の成果報告―

本企画の趣旨
 2018年4月の診療報酬改定では医療安全対策地域連携加算が新設された。しかし、相互評価の方法や内容は標準化されていない。こうした経緯から、当委員会では飯田修平委員が中心となり、医療安全対策地域連携加算に対応した「標準的安全管理点検表」を作成した。現在に至るまで本点検表は医療界唯一の標準化した点検表である。さらに本点検表の改定版を2022年度中に刊行すべく現在編集作業に取り組んでいる。
 今回の委員会企画では、本制度の意義と点検表を用いた相互評価の実際を紹介するとともに、飯田委員を代表研究者として進行中の令和3年・4年度の2か年計画の厚生労働科学研究費補助金事業「医療機関の医療安全の連携の現状把握及び促進する手法の開発に関する研究」について、これまでの成果や今後の事業展望について報告した。
 なお、相互評価のさらなる理解のためには当委員会で毎年開催している医療安全相互評価研修会の受講をお勧めしている。お互いの情報交換の礎となる人脈形成にも役立つ本研修会への参加を是非お待ちする。

講演内容
①座長の飯田修平委員から令和3年度の結果概要と令和4年度の計画を以下のようにご説明いただいた。
<方法>国立病院機構、労働者健康安全機構、国立大学病院長会議、私立医科大学協会、南大阪医療安全ネットワークに、インタビュー調査を実施。病床規模で層化抽出した3,166病院を対象にアンケート調査を実施。さらに全日本病院協会の医療安全管理相互評価研修プログラム受講者391名に、研修内容の評価や改善点等について、アンケート調査を実施した。
<結果>評価者研修を実施する団体はなく、評価基準や評価方法の標準化が課題である。各団体が重点項目を重視する傾向があり、医療安全体制に関わる基礎的な部分の標準的評価項目と評価方法(評価者の研修等)の確立が必要である。アンケート調査の有効回答率は20.7%(654/3,166)であった。約8割の病院が同じまたは隣接する市区町村の医療機関と相互評価を実施している。研修受講者対象のアンケート調査の有効回答率は40.9%(160/391)であった。約9割の受講者が研修内容に満足していた。
<結論>相互評価の前提として、医療安全管理相互評価体制構築並びに標準的な評価項目、評価方法、評価基準、評価者の資質の均てん化が必須である。標準的相互評価点検表、テキスト、研修内容と方法の再検討は、今後の課題である。安全管理者養成講習会と同様の標準的研修プログラム、標準的教材を制度化する必要がある。
<今後の展望:令和4年度>アンケート調査結果に基づき、他医療施設との連携を含む医療安全活動に積極的に取り組む医療施設を対象に、半構造化インタビュー調査を実施する予定。調査を通して、相互評価実施の際の評価方法や連携体制における好事例を収集する。また、令和3年度に行った各調査の結果を分析し、標準的な相互評価点検表の地域での活用推進策の検討を行い、効果的な相互評価を実施するための標準的な教育プログラムを開発し実証する予定である。
②永井庸次特別委員から、今回の厚労科研でのアンケート、インタビューの結果と評価について報告いただいた。
③長谷川友紀委員から、点検表の概要と相互評価の実際の留意点について説明いただいた。
④練馬総合病院の安藤敦子師長(専従安全管理者)から、自院での経験をもとに相互評価実施における院内体制構築について解説いただいた。

 

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  • [3] 医療安全管理体制相互評価を進めるために|第996回/2021年10月 ...

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    練馬総合病院の安藤敦子師長(専従安全管理者)が、相互評価の実際について、評価を受ける側、評価する側から実際の経験をもとに解説した。

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