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ホーム全日病ニュース(2022年)第1022回/2022年12月1日号MEDI-ARROWSⅢrd 登場 新ARROWSⅢrdへの期待

MEDI-ARROWSⅢrd 登場
新ARROWSⅢrdへの期待

MEDI-ARROWSⅢrd 登場
新ARROWSⅢrdへの期待

公益財団法人東京都医療保健協会 練馬総合病院 質保証室 室長 小谷野圭子

医療の質向上委員会では、ニッセイ情報テクノロジーの協力を得てDPC分析事業に取り組み、同社のMEDI-TARGETを活用して会員病院の経営分析をサポートしてきた。このほどMEDI-TARGET が全面的にリニューアルされ、MEDI-ARROWSⅢ rdとしてリリースされた。分析事業に参加している病院から、新たな分析システムの評価と期待を寄せていただいた。

 当院は東京都西北部を医療圏とする一般病棟224床の急性期病院である。2004年よりDPC準備病院、2006年6月からDPC対象病院となった。全日病でDPC分析事業が開始された2007年7月より、本事業に参加し、MEDITARGETにはDPC対象病院となった2006年6月からのデータを取り込んでいただいた。
 DPC対象病院になった当初は、現MEDI-TARGET の出来高-包括比較、入院期間尺度など、定型分析を中心に使っており、特に代替薬品リストは有用で、後発品への置き換えが円滑にできた。その他、既存パスの評価や新規パス作成に向けての基礎資料作成のために、パス分析機能も使用している。入院前後の外来での診療内容も併せて分析できることが興味深い。しかし、何よりも優れているのは自由分析機能で、条件さえきちんと確定できれば、様式1、入院DEFファイルから、整理された形で様々な情報を引き出すことができ、診療部門とともに様々な分析を行うことができた。ただし、いろいろとできる代わりに、マニアックなシステムでもあり、初心者には敷居の高いシステムであることも否めなかった。
 この度、システムが刷新され、生まれかわったARROWSⅢrdを先行利用させていただいたので、将来への期待も込めてコメントを述べさせていただく。
 データ準備段階においては、厚生労働省提出データのままのファイル名で何度でも上書きアップロードでき、所要時間も大幅に短縮されたことから、データ管理者のストレスがなくなった。また、病院の独自データも追加可能となったことで、これまで、データ抽出後に他のデータと結合、整理していた作業が不要になる。
 定型分析では、とにかく視覚的に見やすいことから、担当者が分析した結果を経営層に提供するのではなく、経営層が自らシステムを操作して閲覧する形に流れを変えることができた。
 自由分析では、これまでと同様に条件を設定したデータ抽出も可能だが、ほかにも、ダッシュボードによく使う条件があらかじめセットされている。例えば、病院情報の公表の全指標はワンクリックで集計できる。ただし、病院情報公表の目的のひとつは、「医療機関のDPCデータの分析力と説明力の向上」であるので、システムにすべてお任せではなく、院内で集計した結果の答え合わせとして使うのがよいだろう。
 当院では、ニッセイ情報テクノロジーのDPCコーディングソフトMEDI-DPC CodeFinderとH2オプション(看護必要度集計、チェックツール)を導入しており、リアルタイムのデータ抽出やコーディングチェック、看護必要度の精緻化はこれらのソフトでまかなっているが、ARROWSⅢrdでもこれらのチェックができるのは心強い限りである。
 新しい分析の要望等をあげると、実装を検討していただけるので、これからもまだまだ成長し続けることと期待できる。
 ぜひ一緒にARROWSⅢrdを育てていきましょう!

 

全日病ニュース2022年12月1日号 HTML版

 

 

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