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ホーム全日病ニュース(2022年)第1022回/2022年12月1日号病院事務長研修及び看護部門長研修の成果

病院事務長研修及び看護部門長研修の成果

病院事務長研修及び看護部門長研修の成果

【静岡学会・医療従事者委員会企画】

 医療従事者委員会では事務長研修、看護部門長研修を行っている。従来は集合研修の形であったが2020年度は新型コロナ感染症蔓延のため中止となり、2021年度は全面WEB 形式、2022年度は集合とWEBを併用するハイブリッド形式で再開している。2022年度はそれぞれ延17日、9日の研修を行い、各人の病院の経営改善をテーマにディスカッションし、最終日には研修のまとめとなる共通課題の解決方法をグループごとに集約して発表をしてもらう。
 せっかく計画を立てて実行したのだから、それがどのようにうまくいったのか、あるいはうまくいかなかったのか、うまくいかなかったのであれば、その原因は何かを皆で議論しようということで、フォローアップ研修会が行われている。
 フォローアップ研修では事務、看護でそれぞれほぼ全グループに発表をしてもらうが、事務、看護が混じって発表し、お互いに議論をするという形で開催する。共通する論点もあれば、職種特有の問題もあるが、違う立場でみることでかえってお互いの理解が深まるということで好評であった。
 今回の全日本病院学会in静岡は3年ぶりに対面の学会となった。2021年度の研修受講者のうちフォローアップ研修で発表してもらった演題の中から、さらに代表演題ということでそれぞれ1演題ずつを発表してもらった。
 当日は池上直己教授(慶應義塾大学)、萩原正英氏((一社)経営支援機構 代表理事)のコメントをいただきながら活発な質疑応答が行われた。それぞれの部門の発表者からのコメントを記して、当企画の総括としたい。

【代表発表2題の演者の感想】
事務部門:医療法人 宮若整形外科医院 事務長 松岡 洸

 第19回事務長研修はすべてオンライン形式で行われ、同期受講者に直接対面するのは当日(第63回全日本病院学会in静岡)が初めてでした。切磋琢磨した仲間として不思議な親近感を覚え、広報強化チームメンバーまた同期の仲間にお会いできたことで新たな繋がりと自院改革への意欲が更に高まりました。
 自院の広報改革にあたり、基礎知識を共有し現状分析の上、アクションをおこすためのチェックシートを活用できたことが良かった点と考えています。広報に携わる職員の重要性を再認識し、思いやりや声掛けができるようになり、現場調整業務上、幅広く対応できるようになりました。看護部長研修発表を聴講できたことも、現場の問題・課題を知り、足並みを揃えていく立場として参考になる点が多数ありました。
 今後の目標として、自院の成長と自院での広報の取り組みが皆様と共有できる事を楽しみに励んでいきたいです。

看護部門:社会医療法人社団健脳会 
千葉脳神経外科病院 看護部長 木戸 淳子

 2021年度は新型コロナ蔓延状況下にて、すべてWEB形式での研修でした。この研修のキーワードは「イノベーション」です。中小規模病院だからこそできる、働きやすい職場環境から看護の質向上へ、イノベーションをおこせるのではないかと思いました。
 研修では、グループ課題を具体的に構成する手法、母体となる経営について、部門長だからこそ押さえてほしい考え方等、課題展開手法を学びました。今回、Aグループが担当したのは、「人材雇用と定着」です。人材確保を「採用」と「定着」の2つに分け、「採用」「教育」「多様な勤務形態」「良好な人間関係」の4項目を課題体系として取り組みました。
 様々な視点からの考察は、視野を広げる良いきっかけとなり得ました。WEB研修でもグループ共有できたことは、目指す状態が合致していたからかもしれません。
 多岐にわたる課題の改善を継続することで、看護師が「魅力ある職場で、やりがいを持ってイキイキと働き続けられる職場」となり、患者も職員も輝く看護の提供に少しずつでも繋がっていくのではないかと思います。
 「選ばれる病院」になるための柔軟な「職場環境改善」に向けた取組みは、今まさに法人の強みとなり得る時代になっているのではないでしょうか。
 この度は、学会発表に臨むこととなり、井上先生をはじめ諸先生方には、様々な気づきと、チャンスを頂きました。貴重な指導を賜り誠にありがとうございました。

 

全日病ニュース2022年12月1日号 HTML版

 

 

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