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2022年度改定に向け検証調査項目を了承

【中医協総会】新型コロナに配慮するが結果の適切性に懸念

　中医協総会（小塩隆士会長）は６月17日、2020年度診療報酬改定を検証し2022年度改定につなげるため、改定結果検証部会で実施する調査項目を了承した。今年度と来年度に分けて調査を実施するが、今年度の調査は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を強く受けているため、実施の際には、様々な配慮を行う。委員からは、改定の影響と新型コロナの影響を切り分けることは困難で、適切な調査結果が示されることについて懸念を示す意見が出た。
　調査項目は2020年度改定の答申時の附帯意見に沿って構成している。
　2020年度調査では、◇かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等（その１）◇精神医療等（その１）◇在宅医療と訪問看護に係る評価等◇医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等（その１）◇後発医薬品の使用促進策の影響─がある。
　2021年度調査では、◇かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等（その２）◇精神医療等（その２）◇医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等（その２）◇かかりつけ歯科医機能の評価や歯科疾患管理料の評価の見直しの影響◇かかりつけ薬剤師・薬局の評価を含む調剤報酬改定の影響◇後発医薬品の使用促進策の影響─がある。
　2020年度調査は10月までに調査票を決定し、11月～来年１月に外部業者が調査を実施。来年２～３月に結果が報告される。2021年度調査は来年５～６月に調査票を決定し、来年７～９月に外部業者が調査を実施。来年10 ～ 11月に結果が報告される。
　日本医師会の松本吉郎委員は、「新型コロナが医療機関に大きな影響を与えており、例年通りの調査にならない。今年度は実施しないことも検討すべきだ」と主張した。一方、厚生労働省は、データが不十分なまま2022年度改定の議論を行うことを避けるため、できるだけの配慮を行いつつ、今後、感染拡大が危機的な事態にならない限りは「実施する」との意向を示した。
　調査を実施する上での配慮としては、まずは調査の煩雑さを減らし、Webや電子調査票を活用するなどできるだけ負担軽減を図る。特定の地域で感染が拡大している場合はその地域を除外することを検討する。また、回収率が低くなることが想定されるため、適切な調査客体数を設定するとした。
　健康保険組合連合会の幸野庄司委員は、「新型コロナの影響で医療機関への受診控えがあり、長期処方が増えている。電話・オンライン診療の特例の活用状況を含め、受療行動の変化など新型コロナ単独の影響を調査するべき」と提案した。厚労省は、新型コロナ単独の調査は中医協では行わないとの方針を示すとともに、電話・オンライン診療の特例については、医政局で調査が行われる見通しであるとした。
　医師等の働き方改革関連の調査では、新設した「地域医療体制確保加算」などの対象が、新型コロナの重症者に対応した病院と重なると考えられるため、それを考慮した調査項目の設定を求める意見も出た。