全日病ニュース

事務長研修、看護部門長研修の代表演題を発表

【医療従事者委員会】医療従事者委員会委員長　井上健一郎

　医療従事者委員会では事務長研修、看護部門長研修を行っている。それぞれのべ20日、９日の研修を行い、各人の病院の経営改善をテーマにディスカッションし、最終日には研修のまとめとなる共通課題の解決方法をグループごとに集約して発表をしてもらっている。
　せっかく計画を立てて実行したのだから、それがどのようにうまくいったのか、あるいはうまくいかなかったのか、うまくいかなかったのであれば、その原因は何か皆で議論しようということで、フォローアップ研修会が行われている。
　フォローアップ研修では事務、看護でそれぞれ数グループに発表をしてもらうが、事務、看護が混じって発表し、お互いに議論をするという形で開催する。共通する論点もあれば、職種特有の問題もあるが、違う立場でみることでかえってお互いの理解が深まるということで好評であった。
　今回の全日本病院学会in愛知ではフォローアップ研修で発表してもらった演題の中から、さらに代表演題ということでそれぞれ１演題ずつを発表してもらった。
　当日は約100名の方が参加され、池上直己特任教授（聖路加国際大学）、萩原正英氏（㈱日本経営支援センター代表取締役社長）のコメントをいただきながら活発な質疑応答が行われた。それぞれの部門の発表者からのコメントを記して、当企画の総括としたい。

　【代表発表２題の演者の感想】
　 ○事務部門；社団医療法人養生会
　 かしま病院　江坂　亮
　私達は病院事務長研修の17期に当たり、病院経営管理能力を身につけるべく同期で切磋琢磨しながら延べ８日間20単位の研修を無事終えることができた。研修中の課題は年々増加傾向にあるようなので、現在受講中の18期生をはじめ、これからの受講生には負けずに頑張っていただきたいと思う。
　今回私達のグループ発表のテーマは「地域密着化」であった。これは、事務長研修参加者が持ち寄った約3,000件の自院における課題のうち、多くの病院に共通する課題の１つであった。事務長研修修了後のその後の取り組みと成果を報告する場が今回の学会であり、非常に貴重な経験であった。
　メンバーがそれぞれ、自院での地域密着化を検討・実行し、形にしたが、上手くいったものもあればそうでないものもあった。結果がついてくるのが理想ではあるが、自分の中で「こうしよう」と思った考えを形にして実行し、評価・報告という一連の流れをやりきれたことは私も含めグループメンバーにとって今後の大きな糧になったと確信している。

　 ○看護部門；医療法人やすだ
　 堀口記念病院　野口真由
　2018年度診療報酬・介護報酬同時改定により、当グループでは住み慣れた地域で継続して生活できるよう地域・在宅とのつながりを強化し、入院前から退院後まで一連の流れで切れ目のない入退院支援が重要視されていると考え、課題に着手しました。自院で通常業務を行いながらの業務改善は大変でしたが、グループ内で自院の現状など意見交換を行い『自分も頑張らないと‼』という思いで、課題に向き合うことができました。また、課題作成するに当たり、委員の皆様に的確な指示をいただき、グループで共有し修正・変更・追加していくことで、１つの演題を作り上げることができました。
　最初は、看護部門長研修の最終日に発表し終了と思っていたのですが、委員の方々が自グループの演題に興味を持ってくださって、今回、【全日本病院学会in愛知】で学会発表させていただくことができました。こんな機会はなく、本当に緊張しっぱなしでしたが、よい経験をさせていただきました。