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物流2024年問題への対応策をまとめる

物流2024年問題への対応策をまとめる

【医療機器流通改善懇談会】小規模病院での在庫のデッドストックの懸念も

 厚生労働省の「医療機器の流通改善に関する懇談会」(三村優美子座長)は11月2日、来年4月に導入されるトラックドライバーの残業規制の影響で、医療機器の納品回数の減少や、物流コスト増が見込まれる「物流2024年問題」について、「早期発注」や「在庫の積み増し」などの対応策をまとめ、担当部局から年内にも通知を発出することで合意した。
 厚労省は、10月に約7年ぶりに懇談会を再開。来年4月からトラックドライバーの確保が困難となり、機器の配送頻度の減少や納期の延長などが予想されるとして、対応策を協議してきた。今回、物流2024年問題への対応策について通知の発出を決めた。ただ、今後も医療機関と販売業者の受発注の多くが、電話やFAXで行われているといった「業界の特性に起因する問題」があり、継続的に議論する方向も確認した。
 対応策をみると、医療機関に「1日でも早い発注」を求めるほか、単なる箱(段ボールなどの外装)の汚れであれば受け入れることも要請する。また、頻回配送が困難となることを踏まえ、「緊急配送を増やさないための在庫の積み増し」「まとめ買いの促進」も取り組むべき課題にあげた。
 昨今の物価・賃金上昇などの流れも含めた「物流コストの増加」に対しては、「サプライチェーン全体でコストを負担していくことが重要」と整理した。価格交渉の申出があった場合には、協議の上で適切な価格決定を決めていく必要があるとの考えを示している。
 これらの対応策に対し、全日病副会長の中村康彦委員の代理で出席した小關剛参考人(筑波記念病院理事長)は、「1日でも早い発注は、病院として考えなければならない」と述べ、全日病でも会長以下の役員間で認識を共有していると報告した。一方で、「まとめ買いの促進」については、「より小規模の病院で在庫を確保するとデッドストックが増える可能性」に警鐘を鳴らした。
 同日は、積み残しとなる「業界の特性に起因する流通上の課題」についても意見交換した。小關氏は病院の製品発注が一元化されず、各部署からバラバラに注文されていることについて、「機器は、使用する医師と販売業者だけで話が進んでいってしまうケースが散見される。そうすると病院の購買課、用度課がついていけない」とし、関係者間で購買課などを通すという「意識共有の重要性」を強調した。

 

全日病ニュース2023年12月1日号 HTML版

 

 

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